2012/12/02

今度はアコースティックで

また,オリジナル曲起こしてみた.今回は,歌詞まで含めて実質2日か3日程度,作業そのものは比較的あっさりと終わったかも.これまでとちょっと雰囲気を変えて,アコースティック・ギター2本で済ませて見た.ついでに言えば,2本とも一発録りで録ってみているので,間違いもそのまま残してある.
今回使ったのは,左chがC.F.Martin OOO-28EC,右がTokai Cat's Eyes CE-1000s.こうして一緒に聞いてみると,OOO-28ECの方がボディサイズは小さいのに,低域が出てる気がする.一方のCE-1000sはきらきらとした音が身上,な感じ.音もちょっと固めかな.なので,今回はもっぱらオブリ担当.CE-1000sは,1980年頃の製造品なのにこれだけ音が固いというのは,まだボディが鳴っていないのかなぁ?マイクは相変わらずSHUREの57BetaをMindPrintのプリアンプを通して録っている.どうも,このMindPrintのプリアンプは,音が随分と変わる(カリカリめの音になる)気がする.いづれのギターも,味付け程度にPSP Vintage Warmer 2は通しているけど,本当に若干とおして見ました,という感じでしかない.あと,この曲は,元々はGibson ES-125で起こしたこともあり,ES-125+50 Nocasterのペアででもう一度録ってみるつもり.


ミクさん(Dark)は,使ったのは初めてなのだが,なんか妙に生々しいので,僕も驚いている.DP7のMW Levelerでレベルを調整した後,UADのCS-1かませて,パラでUADのDreamVerbをかませているだけなんだけど(この程度の加工は今までも散々やってたんだけど)合成音とは思えない声質だよなぁ,とちょっと感動してしまった.ちなみに,元のデータも,そんなパラメータ調整はしていない.言葉に合わせて,音符の長短を調整している程度の調整しかしていないんだけどね.
歌詞は,昨今のガザとか,シリアとかの風景を外から眺めている,って言う僕らの歌にしてみた.時節柄,クリスマス・ソング仕立てになっちゃったけど,それなりに辛辣な内容にして見たつもり.
それにしても,外から見ていると,ジーザス・クライストの生まれた土地の周りで,なぜあんな好戦的な人々が多いんだろう?逆な見方をすると,あのような土地・風土だったからこそ,あのような宗教が生まれたのかもしれん,そして,いつまでもその不幸な土地は,不幸を生むことを繰り返している,なんて学習しない人々,学習しない社会なんだろう,なんか,悲しいな.そこで生まれ育っている子どもたちが可哀想,という感情論では,きっと世界は回らないのだけど.

2012/11/11

Life Designという会社行事

僕が時間と労働力を販売している先の会社には,Life Designというセミナがある.例えば,40歳になった時,50歳になった時,という人生の節目に,会社の福祉制度を復習し,今後の人生設計に活用してもらおう,という趣旨の制度らしい.しかも,50歳になった時には配偶者も同席して,このセミナを受けることができる.このセミナを受けると,この会社の旅行関係を担当している関連企業でしか利用出来ない,という不思議な旅行金券が10万円分支給される.
僕も,この50歳のLife Designセミナに参加する歳になってしまったので,先日あったこのセミナに出て見たのだが,その内容の無さにすっかり呆れてしまったのだった.全然,その内容がRock*n*Rollしていない.いや,枠からはみだして生きているような人には全然役に立たない講習会である.
何が役にたたないか.
本来,こうしたセミナに期待されることと言ったら,これから会社をリタイアする向こう10年に向けて,ある企業体のなかでどのように生きるか,どのように「仕事を成し遂げるか」という,もっと前向きでCreativeなアイデアを育むことが大事なはずだ.「上がりを決め込む」大人にならないために,あるいは次の世代の人々のために,今君たちは何をするべきだ,というメッセージを伝えるセミナであって欲しいと思うのだ.
それが,このセミナの最初のコマは,健康診断の結果の読み方,だ.向こう,人生のクロージングまでの30年,という時間枠を示して(平均寿命や平均余命という統計情報を示す),この期間を健康に過ごすためにお酒は控えましょう,肥満にならないようにしましょう,と言う.ここからセミナが始まる.そんな寿命なんて,誰だって違うのは当然じゃ無いか,どんな人生の終り方をするか,なんて人によって違って当然なのだ.それをどうしてそこまで「標準」で評価するんだ?ここで躓いた.その後も,退職金はいくらと見込まれます,でも平均余命を豊かに生き抜くためにはこれだけの金額が必要です,だからどうしましょう,という話題にしかならない.そして,標準的な人生だったら居るであろう子供が独立するまでにこういう人生設計をしましょう,とやるのである.
これを朝の10:00からはじめて,終わるのは17:00.1日もかけてするような話か?無駄でしか無いだろう.これで配偶者でもいれば,また,「会社が奥さんに対して”旦那の稼ぎはこんなモンなんだから覚悟してね"と伝える」場ともなろう.その点じゃ配偶者に対して,旦那に過大な期待はするモンじゃ無い,と伝える良い機会かもしれん.でも,それだって,アタマの良い奥様なら,もうとっくに人生を見切っているころだろう.結局,この手のセミナが生まれた10年前,20年前の時期で,まだ消費が盛んにできるという幻想が世間を覆っていた人に,それに資する稼ぎを考えてね,というメッセージを伝える程度でしか無い.現実に,今企業の中で起きている様々な問題に対して,このメッセージは何も役に立たない.しかも,それを会社のお金でやっている,労組も一緒にやっている,という事態に,僕は愕然としてしまった.この会社は誰のためにあるんだ,と.この企業は,結局「自ら変わること」を拒否しているのでは無いか,と.全然,Rock'n'Rollしていないじゃ無いか,というのは,この姿勢が無いから,そこにはCreativityも感じない,詰らない講座にしか聞こえんのだ,と幻滅したのだった.
僕の職場が本社人事部の一部門ということも手伝って,この状況は芳しいものでは無いな,と思ってしまった.今,必要とされている企業人に対するclosingメッセージはこんなもんじゃ無いはずだ,とここのところ感じているのだ.今,必要とされているのは,この会社の次の世代,次の次の世代の働き手に対して,残りの10年,15年という枠のなかで何を伝え,何を残していくか,そこを戦略的に考えようぜ,というメッセージであって欲しいと思う.もちろん,その中で「上がりを決め込む」奴らも出てくるだろう.それは個人の責任だ.リタイアした後の人生も個人の責任だ.そこへ向けて,従業員ひとりひとりが納得してリタイアしていく,その環境を作ることが企業には求められているんじゃ無いだろうか?そして,それをやってのけてこそ,企業の従業員に対する勤めが果たせるのだと思う.そこまで考えていない人が会社の経営をやっているから,ここ数年の関西家電企業の凋落があるのだ.
結局,大企業の人事部門が,そういう考え方,世間の捉え方をしていないんだろう.だから,こんなCreativeでも無いつまらない研修を相変わらず,10年来,20年来のフォーマットを崩さずに実施しているのだ.生命保険,健康保険だって,もう制度として破綻している.年金だって破綻している.僕らの世代の「むしり取られ感」を,そのまま次の世代から「むしり取る」ことで穴埋めして,明るい未来を若い連中に託す,なんてことはもう出来ないのだ.そういう社会システムは成立しえないのが現実になったところで,この研修を会社のカネで続けて,果たして価値があるんだろうか,と,そこに疑念を持ってしまったのである.
でも,きっと,参加している同じ世代の連中の多くは,こういうことは考えないんだろうなぁ.まぁ,自分だけが生き残れば,と考えている人々なのかな.それって.....消費される人生というか,つまらない人生のように思うんだけどなぁ.そう言う人生観の人は,果たして本当に僕らの世代のどれくらいを占めているんだろう?

2012/10/08

CE-1000sのブリッジピンをエボニーに交換

3週間前に購入したTokaiのCE-1000s.どうも,自宅で週末の都度弾いているんだが,なんか音が硬い気がする.音がきらきらしすぎる.何より,ドレッドノートの癖に,低域がどうも出てこない.前からうちにあるOOO-28ECの方がボトムの音が出てるんじゃねーか,と気になりだした.
そんな折,Webでどうしたものかと漁っていると,どうも,ブリッジピンをエボニーなりローズなりの「木製」にすると,少しキラキラ感が減るらしい,という記事を見かける.モノは試しだ,と,早速,御茶ノ水にブリッジピンを買いに行ってみた.買ってみたのは,C.F.Martinの純正パーツで,エボニーで出来たブリッジピン.¥2,100也.
帰宅して,今試してみたところなんだが,若干,高い帯域は減った....かな.ただ,鈴鳴りっつーの?あのキラキラした音は相変わらず.どうやら,1弦,2弦あたりが,鈴鳴りの原因みたいな気がする.一方,ボトム側はというと,少し温かい音になったかもしれない.但し,音の輪郭が怠ける方向なので,これが良いことなのかは判らない.気持ち,程度の変化でもあるし,あるいは,弦を張り替えた方が早かった....かもしれないなぁ.ま,暫くこれでやってみようとは思う.
後,やっぱり箱の鳴りが問題だよねぇ.まだ,音が硬い気がする.暫く弾いてもらっていなかった個体なのかもしれないんだが,まだ「箱がなっている」音では無いように思う.もっと弾き込んで,楽器の目を覚ましてあげないと,根本的にいかん,のかもしれない.なかなか,アコースティック・ギターは難しいっす.

2012/09/17

Tokai Cat's Eyes CE-1000Sを買った

僕が最初に買って貰ったギターは,TokaiのCE-300という¥30,000程度のギターだった.これが,数年前,押入れから出してきて弾いてみたら,妙に鳴るのには驚いたものだ.さて,¥30,000のギターがこの程度の鳴りなら,もっと上位の楽器はどうだったんだろう,と興味を引くところだ.しかし,一時,Japan Vintageと呼ばれて,Cat's Eyes Guitar等,ほとんど市場に出まわらなくなってしまったのがここ10年位のこと.CE-200とか,たまにCE-400なら行き会うんだけど,やっぱりせめてCE-800くらいのクラスが欲しいところだ.どうも,違う.....
.....と思っていたところ,久しぶりにお盆休みの時に御茶ノ水の楽器屋さん街を歩いてたら,ばったり,80年頃のCat's Eyesが2本程,一緒に出ている.新品の定価値段が¥100,000前後の奴.あら.....で,昨日,久しぶりに御茶ノ水を歩いてみたら,まだその子達は残っている.ま,¥98,000という値付けだと,ほとんど新品定価と変わらんしな.30年前の国産モノの良さを判る奴もそうそうおるまい.ちょっと気になって弾いてみると,これが良い.直前に,68年頃のMartin D-18を弾いてみたんだが,それと遜色無い感じがする.特に,CE-1000Sというクラレンス・ホワイトモデル.確かに,当時,中学生の頃に読み漁ったTokaiのカタログにあったよなぁ.ちなみに,いくらで売る?と聞いてみたところ,在庫が長い(店先で滞留していた,そりゃそうだ,1ヶ月前にも居たし)ことから値下げをしようとしてたとのこと.頑張るよ,というので,¥87,500でふっかけたら,それで,という.思わず衝動買いしてしまった.
帰宅してから,確認してみると,どうやら80年の製造品らしい.ペグはシャラータイプになった後の「後期型」と呼ばれる奴.クラレンス・ホワイトモデルというのは,通常のD-28に対してサウンドホールがちょっとだけでかくなってて,音が大きく出るのが特徴とされている.実際,「鳴りが大きい」感じがする.フィンガーボードのインレイは(クラレンス・ホワイトのオリジナルが無いので)無し.ヘッドストックにフラワーインレイが入っているだけのシンプルな子.ネックの握りはちょっと扁平な感じ.ちょっとVシェープの感じがする(握りの背中がちょっと尖っている手触りがある)けど,幅広く薄い感じ.後,塗装は,この頃のTokaiらしく白濁が始まっている.材は,評判とおり,トップのスプルースもなかなか細かい木目で,良い感じ.ネックは,ヒール部分だけが継ぎ足しの2ピース.持ち込まれた時は,かなりネックが起きてて,アイロンかけて伸ばしたらしい.さて,どうなるかなぁ.
で,音はかなり良いと思う.素直なアコースティックギターの音.但し,ドレッドノートの印象からすると,ボトムがあまり出てこないかな.マイクを近づけて録ったらどうなるんだろ?OOO-28ECと並べて音を出して見ると面白いかもしれないなぁ.
それにしても,結局,30年を経過した国産のギターが,新品購入とさして変わらぬ値段で店頭に並んでいるというのもすごいものだ.CE-1000sは,Webを見ると,それなりに人気があるみたいだしねぇ.これで,D-28モデルの購入は不要になったな.当面,この子で済ませることが出来そうだ.

2012/08/19

夏休みの宿題

....という訳では無いんだが,兵庫に職場が変わってからは,長期の休みには何とか新曲を起こして公開したいものだ,と,目標を持っていたんだが.....今年はGWまでは何とか耐えたものの,その後がいけない.メロディまでは何とか「こんな感じかな」というところにたどり着くものの,その先の歌詞が生まれてこない.結局,夏季休業が終わって最初の週末までかかってしまった.何とか,形が見えてきたので(完璧,とは言わん,まだボロボロなのは良くわかってる),公開してみる.
今回の曲は,実は5月には基本のメロディは出来ていたのだ.ダウンロード罰金化の著作権改悪法案が参院を通った時に,やっぱり意見表明をしたいな,とシーケンスを起こしたんだけどな.
最初の躓きは,ギターの音が中々定まらなかったこと.本当に最初は,伊丹にあるギターで作ろうと思っていたんだけど,どうも音が決まらなくて.結果的に,去年衝動買いした90年代のFender Custom-shopの50's Telecasterのpick-upを交換し(Fender Custom-shop製の50 Nocaster pickupに交換した)てRhythm Guitarの音は納得できるようになった.
しかし今度は,Lead Guitarの音でまた悩んじゃった.50's Telecasterのカッティングが,なんとなく,The BeatlesのGet Back the Rooftop Live vers.を彷彿とさせる音になったんで,同じ時のCasinoの音になれば面白いかな,とも思ったんだが.....結局,こっちに持ってきたES-335では納得できなくて,一度は横浜に残してきたTokai ES-175を使って見たりしたんだけどね.うーん.....今度は,「音の汚し方」で悩んじゃった.色々試したが,どうもしっくり来ない.
その上,歌詞も出てこない.最初のワンフレーズは気に入ったんだけど,そこから先への展開が進まない.サビ部分の歌詞で「あぁ,そうか」と言う言葉が出てきたのが6月だったかな.でも,お話として全然まとまってくれない.
結局,最終的に,ES-335のネックをこちらの楽器屋で調整して貰って,オクターブ調整,弦のテンションを緩めた上で,ピックアップもかなり落としたセッティングにして,なんとかLead Gtr.の音が固まった.今回の録りでは,ちょっと固めの音になっちゃったけど.ついでに,ベースは伊丹に来てすぐに買ったStingray 4のフレットレスで録り直し.ぶるぶり感が出て,Jazz Bassじゃ出ない音だな,という点では,これは良かったかなと思う.そんなこんなで,やっとイメージが固まったかな,というところで,歌詞が最後に残った.でこの部分を昨日,今日の2日間で強引にまとめて見た.でも,まだ,お話として,話者の立ち位置が一貫性が無いんだよなぁ....と,まだ悩み中.
さて,こちらに来てから1年半で,なんとか6曲.3ヶ月に1曲,というペースで曲は上げられている.今回は,夏季休業中に終わらせられなかった,ってのがねぇ.なんか,夏休みの宿題を8/31に終わらせられなかったような気分になっている.
もっとも,コード進行とか音作りとか,そろそろワンパターンになってきたんで,違うパターンの曲も必要だなという認識はある.さて,次は「何かもっと違う曲想」をまとめて見たいもんだ.....やれやれ.

2012/08/01

e-mobileの25HWをGL04Pに機種変してみる

契約から5年,既にWiMaxも入れてしまい,ほとんどサブ回線になっているe-mobileだが,サブ回線ならやっぱり回線維持費が気になるところだ.¥4,500程度,ドライブ時に車内の回線用に使っている程度なんだが,やっぱり気になる.ちょうど,キャンペーンで,端末は¥1,維持費は¥3,880/月フラットの契約,やってるよ,ということで,ふっと思い立って機種変更をしてみた.今回,LTEにすることでSIMも含めて交換.....
機種は,ちょっと倍くらいのサイズに大きくなるのが嫌なんだが,最新版のGL04Pにして見る.2年+アシスト160で¥3,880/月,向こう2年は解約出来ない縛りが付くのが気になるところだが.ま,サブ回線で動きは少ないだろう,と割り切ることにした.大阪のヨドバシで契約,40分程まって端末を入手.早速,寮に戻ってセットアップをして見たんだが....どうも,USBで繋ぐためのドライバがインストール出来ないよ,という事態に辟易中.後は,DNSを192.168.1.1を参照するようにしないと,うまく端末のWi-Fi側の設定が出来ない(Network名を変えたり,パスワードを設定したり出来ない)という点がちょっといらいら.ま,取り敢えず,mobile端末も含めて,WiFiは使えるように設定完了.

結局,e-mobileは,料金はフラットとは言いながら,データ転送の上限値は決めていて,これを超えると多分帯域制限が出てくるところは変わらない.そんな上限を気にしながら使うなんて,帯域制限が起きるのは1日単位だと言うけど,ちょっとやだなぁ.ついでに言うと,横浜の自宅界隈は,まだLTEは怪しい状況,というのも気になるところ.まぁ,それでも,D25HWよりも早い3G通信は可能なはずで,かつ日維持費が抑えられるなら,ま,それはいいかな,と判断している.どっちにせよ,日常的にはWiMaxがメイン,たまにe-mobileのLTEという運用になると思う....しね.使ってみて,気になるところがあれば,また報告もできるし.

2012/07/15

電力会社の不思議

原発を止めるか動かすかで世論は大きく二分されている,ような気がする.原発を止めたいという人達が首相官邸前に集まってデモしているみたいだし,その人数は最近どんどん増えている,って言う話だ.一方で,電気を安く提供してくれないと困るという,これは経済団体の皆さんが一様に言うことで,こちらは電気代の値上げという形で僕らの生活にも表れている.ここ数週間程,関西電力の「計画停電」騒ぎは具体的なリスク軽減策の策定にまで至って,せわしなくなっているのも事実.どうも,経済界では電気代を抑えながらベースとなる電力を安定して供給するために,原子力発電所は是非とも必要,という話らしい.もっとも,関西地方は気温35℃を超えたら計画停電も不可避だろう,と言う話もある一方で,現状を見ているとなんか大飯を再稼働させなくても実は計画停電は不要になったんじゃ無いか,って言う様相も見せている.
こういう様相をつらつらと見ているに,ふっと気になることがあるのだ.それは,原子力発電所の老朽化に対してどう対応するの,という視点である.まず第一に,原発は老朽化する.放射線を浴びた原子炉の構造物は脆弱になるとされる.だから,原子炉は40年以上動かすのは止めよう,という話になっているはずだ.同時に,では原子炉の臨界が止まれば,すぐに原子力発電所は放棄出来るかというと,そうでは無い.使用済みの燃料棒が出す崩壊熱を取り除くために,また,安定した状態を維持するために,何年も冷却する操作は必要になる.これは,今,原子力発電所を止めたからと言って,もう放射線フリーです,という世の中にはならないということだ.しかも,所謂「放射能汚染」をされた廃材がたくさん出る.これらも,四散しないようにガラスに封入して,安定的な場所に置いて置くことが必要になる.原子力発電所というのは,それを廃炉にしたからと言って,すぐに「捨てます」とは言えないモノなのだ.その先も長期間,放射線を管理するためにコストがかかる.
不思議に思うのは,この廃棄コストのことを,国内の誰も語らないことだ.有効なデータが無いワケでは無い.東海村の実験炉等は,原子炉廃棄のコストを具体的に把握するために,既に廃炉,解体の作業をしていたはずだ.で,原子炉推進派の方々は,このコストをどう考えているんだろう,どう負担するつもりなんだろう,という疑問が生まれるのだ.もちろん,「今すぐ止めてしまえ」派の人も同じ.今「まだ使える」原子炉を止めて,では化石燃料を燃やして出てくるCO2とかどうするか,という議論が無いのである.実際,U.S.は,CO2排出を抑制するために原子炉を,と言っているはず.ま,あの国は,その後の原子炉廃棄についても「許容出来るコスト」の範囲で実現できるから,このような施策の選択も可能なんだろう.
実際のところ,この原子力発電所を廃棄する,という措置もすごく高コストになるので,多分,電力会社は「廃炉」をしたく無いのだ.さらに,単に「止めて置く」ということも,その間(半端無い)管理コストしか産まないので,これもやりたく無い.結局,運転することに一定のリスクがあるとしても,施設がある以上使わないと損なのだ.だから,東電も福島第一の古い原子炉を,それでも11年の3.11まで回し続けていたのである.しかも,古い炉であろうと,問題は起きないとごり押しをして来た,というのが,僕の理解だ.
さて,こういう前提で原子力発電のコストを考えると,たとえ,福島第1の問題があろうと無かろうと,現在ある原子炉は40年運転したら,そこで一度「廃炉」にせねばならん,ということになるはずだ.では,電力会社なり,経済団体の皆さんは,この「廃炉」のコストをどう考えているんだろう,という議論が全く欠け落ちているように感じるのだ.原子力発電所の廃炉は,前述の通り,すぐに使用済核燃料を抜き取って,建物をスクラップにすれば良い,というものでは無い.継続的に使用済核燃料を原子核の崩壊があるレベルに到達して崩壊熱が十分に抑えられるようになるまで,継続して冷やさねばならん.その上,建物だって放射性廃棄物の扱いになるから,これらも厳格に管理せねばならん.そうすると,たとえ原子炉を止めたからと言って,すぐにその同じ場所に次の原子炉を建てられるワケでも無い.新たな原子炉の立地を確保出来ない場合,放置していても本当は「次に原子炉を置く場所が確保出来ないから,原発が準備出来ない」という事態になる.そこまで考えて,では電力のコストは適正な状況にある,コストとして許容出来るんだ,という議論をしているんだろうか?そこまでのコストを考えていない,としたら,企業経営者としての視野が狭い.将来起こるリスクに対して,何もコンティンジェンシもミティゲーションもしていない,ということで,それ自体が既に経営者にとって致命的な欠陥だとも思う.
もちろん,目先の感情的善悪論で,原発は駄目,見たいな態度でも議論が前向きになるワケは無い.ただ,もう一方の勢力も,ここまでの情報を出してコストを示して,納得出来るかという議論をしなくちゃ意味が無いはずだ.原子炉の安全な運転,と言うのは,それは可能性はまだあると思う.また,安定したエネルギー源が必要なのも事実だ.でも,コスト計算で全体がどうだ,という正しい積算根拠を示さないと,本当に経済的なのか,全く判らないままになってしまう.その中で,本当に正しい判断を下せるのだろうか?結局,そうでなくても,ヒステリックな市民が,ただ感情的な議論で「反対」を唱えるだけだ.声の大きさと,発言の野蛮さで,彼らを凌駕することは無理だ.せめて,議論として正しいロジックを示すことが大事なんじゃ無いだろうか?

2012/06/16

Fender Customshop Telecasterのpickup交換

実は,昨年秋口に,Fender Custom Shop 97年製50's Telecasterを伊丹のサテライト用に買ったんだが,どうも音が気に入らない.横浜の家においてある50 Nocasterと比較して,どうも「枯れた味わい」が出ない.Brown Sunburstのボディも,ちょっと飴色のネックの塗装も風合いは渋いし,ボディもそれなりに鳴っている.材の見た目も良い音を出すのに十分そうな,良い感じに見えるんだが,どうも出音が「枯れ無い」のだ.¥200,000で衝動買いした子なんだが,どうも今ひとつ感が漂う.
さて,こうなると,不満が募る.あるいは,piezo pickupでも載せて,エレアコのようにしてみようかとか,いっそGRシンセ用のpickupでも載せようかとか,色々妄想して見たんだが,楽器屋の兄ちゃんに相談してもあまり「期待したほどじゃ無い」と言う結論になる.うーん,それなら,いっそpickupを変えてみるか?Webをあさって見ると,どうやら,最近は,Fender Custom shop 50 Nocasterのpickupも単体で売っているみたいだし.個人的にも,pickupの換装が,音にどこまで影響を与えるか気になるところではある.
そこで,先々週の週末,都内に出た時に,御茶ノ水のギタープラネットで,この50 Nocasterのpickupをオーダして見た.定価¥33,000のところを,値引きして貰って,たしか¥26,300,だったかな.最近,ここで良くギターを買っていることもあり,顔を覚えて貰ったので,顔パス状態.ギターを持ってきてくれたら,店頭で換装作業もするよ,と言って貰ったので,ギターを担いで行ってみた.作業は無理を言って,1時間程度で何とかやって貰った.
結果は,まぁ,正解,かな.本当は,もう少し音が「枯れて」欲しいなと思ったんだが,そこまでは枯れ無い感じ.ギタープラネットの店頭で試させて貰ったんだが,N.O.S.仕様のFender Custom Shop 50 Nocasterとほぼ互角にはなった.Relic仕様だともう少し枯れた感じになる,という印象が強いんだが,まぁ,少しは近づいたと思う.店の兄ちゃんによると,90年代のFender Custom shopは,下地にポリ塗装ががっつり入ってて,中々,枯れた音にはならないらしい.うーん,次は塗装のやり直しでも画策するか?まぁ,それでも,今回,ついでにネックの調整(トラストロッドの締め増し)と,オクターブチューニングもちょっと調整して貰ったのもあり,まぁ,良い感じにはなったと思う.
取り敢えず,当面は,この子と,Gibson ES-335 Larry Carltonモデルの2本が伊丹用ということになるかな.後は,TokaiのLes Paulモデル.ギターは当面,この3本で.後は横浜に色々とあるし,伊丹の方はこの子たちで頑張って見る気にはなったのが,一番の収穫かもしれない.

2012/06/10

TEPCOの間違い

昨今,TEPCOの料金値上げが大きな議論になっている.もちろん,反対の声が多いのは当然のことだが,どうもTVニュースを見てて気になることがあるので,ちょっと書いてみたくなった.
TEPCOの本質的な経営判断の間違いは,以下のようなところだと思う.この辺りの整理が出来ていない以上,潰れるのも覚悟で,現状の料金体系を維持するしか無いんじゃ無いだろうか?潰れてもいいじゃん,という割り切りも,多分,同時に必要なのだ.
  • 福島の原発について,40年超えになりそうな環境下で,それでも古い炉を動かし続けたこと.もちろん,炉の廃棄とそれに伴う費用,新しい炉を新設する設備投資の大きさは考える必要があるが,原子炉を運用することで燃料費を抑えられたのも事実.これを,ひたすら現状維持で運用し続けようとした経営判断が議論されていない.
  • その原子炉の「もしもの時の」危険性が指摘されながら,これはTEPCOが反対したこと.原子力安全保安院だったか,委員会で指摘された「全電源喪失」の可能性に対して,TEPCOと関西電力はいずれも「これこれこういう対策を行うから大丈夫」と自身で作文して対策は不要としていたこと.これも,投資対効果という経営上の判断が根拠にあったはずだ.
要するに,彼らは過去に「今回のような事故に陥る」可能性を,当面の投資対効果という観点から,全力で否定していたのは,TEPCOの経営陣だ.その結果として,今回の結果が得られている.この過去の経営判断を誰が下したのか,その結果得られた「余録」はどこへ行ったのか.本来,問わなければいけないのは,この部分のはずだ.少なくとも,そこで投資削減の効果として得られた「経営の損失」分は,TEPCOの経営判断の責任として明確にしなくちゃいけない.その上で,それ以上の費用増加に関しては,市場の燃料需給状況から「サービスを受ける側」が本質的に引き受けねばならない,という議論をしてほしいのだ.
しかるに,現状の経済産業省主催の「電気料金値上げに関する公聴会」での議論で,以上の2点をどこまで問うているのかが全然伝わって来ない.どうあるべきかという議論に繋がらない.ただ「電気料金を上げさせろ」というTEPCOと,「東電憎し,値上げ反対」の市民感情の対立という構図しか伝わって来ない.TEPCOの「ごめんなさい,過去の経営判断が間違いでした」と言わない現経営陣も問題なんだけど,今のことしか言わない市民もどうだろうと思わずにはいられない.
ちなみに,福島第1原発で,僕が気になっているのは以下のようなことだ.
  • なぜ,全電源損失の可能性が国内で議論された時に,それは起き得ないといったのか?その全電源損失が何によってもたらされると言う議論をしていたのだろうか?
  • 福島の古い原発が,U.S.からの直輸入品だったから,非常用の電源とかを地下に置いた,その理由は彼の地で問題になるのは「竜巻」だからだ,という情報は得ている.竜巻が起きた時に,全電源損失を招かないように非常用電源を地下に置く,という判断は大変正しく見える.そのような「システム設計の根拠」に立ち戻らずに,なぜ安全性は大丈夫です,と言って来たのだろうか?
  • 東北地方で大きな地震が起きる可能性は,今回の事故の数年前から議論のまな板には乗っていた.それを「起きない」とした根拠は何なのか,なぜその状況でも大丈夫という判断をしたのかをきちんと説明していない.どういう根拠だったのだろうか?
簡単に言えば,海のそばにあったディーゼル燃料の貯蔵庫を,少し高いところに移設するとか,非常用の電源装置を建屋の上に置くとか,僅かな費用で対応出来そうな改善策はあったはずだ.それを現状維持で通したのは経営判断だ.その結果得られた損失は,消費者の責任では無い.サービスを提供した側が責任を持って対応すべき範囲だと思う.もっと言えば,その結果とその後のTEPCOの経営陣の対応のまずさが,現状の「国内の全原発が止まっている」事態を招いている,という自覚があるんだろうか,と思ってしまうのだ.
同時に,こうした知見をきちんと「反省」として表明することで,例えば,関西電力等,他の電力会社が今何をすべきか,どういう情報を出して周辺住民に「安全です」と納得いただくか,という基準が明確になるはずだ.そうした議論,反省が無い現状が,エンジニアである僕にとっては,非常に歯がゆい.もっと言えば,その態度が原子力産業を潰している,ということになっているのでは無いだろうか?

2012/05/02

はじめてYouTubeとやらを

昨日上げてみた曲は,YouTubeにも上げてみた.実はYouTubeへの投稿は初めてなので,どうなることか.とりあえず,埋もれてしまわないよう,URLをメモで残して置く.
 http://www.youtube.com/watch?v=vrp7StA1m6A

2012/05/01

GWだからこそ曲を起こしてみないとね

 うちの会社も,GWで長期休みに入ったので,早速,横浜に帰宅.今年は,親が揃ってこの期間に海外旅行しているので,里帰りすることができない....のだ.余った時間は,諸々の宿題と,趣味の楽曲作成に充てるのが順当と言うものだろう.
 今回は伝えたいことがあったので,ちょっと集中して作業してみた.いや,4月初旬に突然降って湧いて聞こえて来た,ダウンロード罰金化の件が気になっていて,どうも,その後あまり聞こえてこないところ見ると多分,法律改正までは至らなかったようなんだが,これはObjection,と言っておかねばならんと思ったのだ.
 少し客観的な見方をすると,結局,レコード会社も出版会社も,本質は「情報の土管」役でしか無い,と思うのだ.彼らが主張する著作権だって,本質的な著作人格権では無い.所詮,著作隣接権でしか無いはずだ.その彼らが「商品が売れないのは不法ダウンロードが増えたせいだ,だからダウンロード罰金化」というのはあまりに短絡体だろう.むしろ,この行為は,音楽市場の萎縮を加速し,音楽の裾野を狭めることにしかならないと思う.そもそも,なぜ,彼らが商品を売ることができないのか,そこを分析できているんだろうか?結局,消費者が嗜好品に使える費用が限られているから,そして,その消費者が「価値がある」と認める商品を出していないからじゃ無いのか?もう少し言えば,そういう「価値ある」商品を育成して来なかったレコード会社の怠慢でしか無い.そのツケを消費者に払わせるというその姿勢はいかがなモノかと思うのだ.そう,レコード会社はその本分を見失ったから,もう斜陽産業でしかないと僕は思う.彼らが生きてこられたのは,
  • 著作権者から見て,レコード会社が集金マシンであったから:これは,上に書いた「情報の土管」と同じ趣旨だ.著作権をモノに変えて価値を作るという役割だ.そのモノを拡販することで,お金を集められる.でも,この役割は,The Netの上の経済システムが立ち上がり,メディアとしてのCD/DVD等の物理メディアが売れなくなったことで機能しなくなった.
  • 著作権者から見て,共有できる施設を提供してくれたから:具体的には,スタジオ等の高額の施設を,複数の著作権者間で共有することに存在価値があった.さらに,この場合,原盤権等の著作隣接権をレコード会社が獲得する機会にもなった.ところが,これも,最近は,PCの上でDTMを使えば結構なことが出来る.
  • 著作権者から見て,品質保証部門としての役割を担っていたから:具体的には,プロデューサのような役割を持って,商品の客観的評価,品質保証をする役割を果たせたから.出版社の編集さんの位置付けになるかもしれない.同時に,これも著作隣接権を獲得する良い機会になるはずだ.ところが,有名なミュージシャンが自分たちで自分たちのプロデュースをするようになり,それで成功しているところを見ると,多分,この役割を果たせるレコード会社はごくわずか,ということになる.
というあたりだろう.ところが,個人が出来ることが増えた(The NetとPCを使って,大抵のことは安くできるようになった)ので,この役割での存在価値が減ってきたのだ.後は,大きな資本を使うことで,プロモーションを打てる,という話はあるかもしれない.でも,これは,費用を回収できる「大物アーティスト」にしか対応出来ない作戦だ.しかも,彼らには,別にプロモータもたくさん付いているだろうしね.あまりここでレコード会社が価値を生むことができそうも無い.
 そう考えていくと,レコード会社というのは,本当に「面白いオンガクを見つけてきて,さぁ,これはどうだと消費者に紹介する」とか,「面白いオンガクを育成する」という役割しか残されていない,と思うのだ.そこに,本来払うべき企業努力を払っているのか,と,僕は問いたいのだがね.
 それを,今回,ダウンロード罰金化する,という働きかけをしていて,国会議員の先生たちもほとんど騙し終えた,と言う話だ.だけど,これをやると何が起こるか,という議論もネットで見かけたな.法律事務所がネットを監視しだして,ゴロツキのようにして「お前違反したろう」と和解訴訟を持ちかけるらしい.それで何が起きるか.オンガクの主要な消費者である若い世代が軒並み,これで絞り上げられるらしい.それって,オンガクを消費する重要なマーケットを萎縮させることは容易に想像できる.そうすれば,ますますレコードは売れなくなり,オンガクは聞かれなくなる.それ以上に,オンガクを聞かない人が増えれば,オンガクを志す人も減る.結局,今までの大御所ミュージシャンだけが残って,類型化されたツマラナイオンガクだけが市場を席巻すると思う.面白くなければみんな乗ってこないから,もちろん,売れるオンガクもなくなる.悪循環だ.どこに「文化を守るために著作権」という枠組みがあるんだ?主要なオンガクマーケットは,ますますアングラ化していくんじゃ無いかな.レコード会社が潰れても僕は困らないけど.でも,きっと,楽器が売れなくなって,楽器屋がなくなるんだよなぁ.
 さて,こんな将来像を,どれだけの人が認識しているんだろう?個人的には,著作権があるモノをThe Netにアップした人にこそ,懲罰的な課金をすべきだと思うんだけどな.その行為は,いわば「放送」に相当するワケで,放送する側が責任を持って著作権料を払う,その契約をしていない放送に対しては懲罰的な課金をしていく,という作戦が一番,妥当な解決策だと思う.
 こう言うストーリにしたら,レコード会社の仕事も,The Netの監視という,著作権者にとっても価値を生む活動ができてくるし.本来,こうした作業はJASRAC等の著作権団体のモノらしいが,JASRACもその役に立っていない現状を考えたら,それをしっかりとレコード会社がやれば良いじゃ無いかと思う.そうじゃ無ければ,Avexのようにタレント事務所みたいになるかだね.

 いづれにせよ,オンガクに関して言えば,著作権の話は,いかに消費者に目溢しをしつつ,絞れるところから絞るか,だとは思う.ただ,消費者に刃を向けちゃいけない.それは全体のバランスを崩すだけじゃ無い,将来的にオンガクを潰す.それは僕らが求めている世界じゃ無いはずだ.そこまで考えて,不正ダウンロード罰金化,等と言っているんだろうか?気になるところだ.
 ま,そんな思いがあったので,こんな曲が出来た.
 4月初旬から暇を見ては,曲にならないか試行錯誤していたんだが,なんとなく,連休直前の金曜日に浮かんだフレーズをそのまま曲に落とすことが出来た.昨日,一回まとめてみて,歌詞が納得できなかったんで,今日はそこを見直し.結局,メインボーカルは初音ミク,ユニゾンで「おじさん」のセリフをVY1V3,そして途中からコーラスで巡音ルカ,という構成になった.
 この曲に関しちゃ,曲の趣旨からも,非営利目的での再配布,ダウンロードはご自由に.ま,いつものフレーズですが.

2012/03/30

そろそろTVセットを作るの止めても良いんじゃね?

等と書くと,唐突に聞こえるんだろうか?
今年度,日本の家電メーカの決算がかなり厳しい,というニュースが,話題である.今まで売れに売れた大画面TVが,全く売れなくなった,だから赤字だ,という報道が主流,なように見える.だけど,今ある「TVが売れない」って,もう昨年からある程度予想されていた話だった気もするのだ.だけど,ここに切り込んだ論評って,まず出てこない.
僕が見るに,TVが売れなくなった理由って,大きく2つあると思う.短期的な要因と長期的な要因だ.
短期的要因は,昨年7月のアナログ放送停波に伴うTV買い替えの大騒ぎだ.これだって,無理にやる必要があったんだろうか,って思うんだけど,ま,やっちゃったものは仕方無い.ケータイに電波帯域を明け渡すために,という話なんだろうけど.これに景気対策としてのEcoポイントなんてやったものだから,取り敢えず「今買わなくちゃ」と思った人が増えた,当面の需要を先食いした,って言う話だ.自動車業界も,補助金を使って燃費の良い車の購入を補助したら,予算が無くなった途端に売れなくなった,ってやっているワケだし.自由経済に逆行する業界補助を政府がやれば,こうなるのは当然だろう.予算の範囲で補助をしているのに,その補助に頼り切ってしまうという企業側もどうしたものか,と思う.同じことがTVでも起きたのだ,と思えば良い.まぁ,ここまでなら,既にいくつかのメディアも触れている話で(それでも,あまり声高に語るメディアはいない訳だが),実は,みんな気がついている話だ.
ところが,この背後に,もっと大きな要因がある.これが長期的要因.多分,この視点での議論は2つの観点から考える必要がある.ひとつは,H/WとしてのTVセットを「作る」という立場からの議論.もうひとつは,H/WとしてのTVセットを「使う」という立場での議論だ.
まず,TVセットを「作る」立場で考えなくちゃいけないのは,では,どうすれば売れるのか,という議論だ.多分,一昨年,昨年,TVが良く売れたのは,アナログ放送からディジタル放送への移行,という「電波行政」のおかげだと,捉えてみる.そうすると,放送メディアを何らかの形で換えちゃえば,またTVセットも売れるようになる,可能性はある.例えば,著作権保護を理由に,現行のB-CASのようなセキュリティのフレームワークを強化することだ.今あるTVセットじゃ,テレビ放送は見えませんよ,とやってやる.あるいは,「電波」を止めちゃうことだ.IP通信網の上で放送をやるようにして,電波を停止する.テレビを見たい人がいる限りは,今あるTVセットを置き換えなくちゃいけない,というこれらの戦略は,多分,機能する.
ただ,昨年度迄,数年にわたってTVを買い替えた国内でこれをやると,今度は消費者から「またやるんかい」と凄い突っ込みを喰らうだろう.まぁ,20年くらいは間をあけたいね.じゃ,これをどこでやるか.海外でやるのは手だ.国内の数倍の規模で,それを出来るマーケットはあるだろう.欧米じゃTV放送のデジタル化は済んでいたはずだから,それ以外のところ.ある程度,GNPが高いところを狙ってみると良い.ここから先はメーカの努力だ.ターゲットが明確になれば,そこの電波行政に食い込んで,また同じようなことをやってみれば良いだろう.競争相手は,SAMSUNG等の大手海外企業になる.国内の家電メーカが,正しいマーケッティング,国際市場を見据えた製品開発をしているなら,多分,そこそこ商売にはなるんじゃ無いかな.後は企業姿勢の問題だ,と割り切れば良いじゃ無いか.そこで生き残れない企業が脱落するのは仕方無いだろう.
一方,TVセットを「使う」側の対策も考えないといけない.要するにTVを買って,それをどう使うかという側面だ.さて,この観点で殆ど議論されていない話がひとつあるように思う.今,TVセットというHWを買って,ではそれで何をしたいんだろう?見たいTV番組ってあるだろうか?10万,20万という投資をして,それに見合う「価値」を,TVを通して得られるだろうか?実は,僕はここが壊滅的に駄目じゃ無いか,と思うんだ.実際,自分自身,ここ数年TV番組を殆ど見ていない.TVを見なくても,必要な情報はThe Netで大抵入手出来る.ドラマが見たい?結局,そういう創作系なら本で済むじゃ無いのか?映画?DVDやBDならPCでも見ることは出来る.結局,著作権で稼ごうとすればする程,TV放送局は「価値がある情報」を流していない,他の代替策はいくつでもある,という状況にあるのだ.そう,TV放送に価値は無い,と言えば良いかもしれない.実は,長期的に,TV放送の重要性は減少しているんじゃ無いか,と思えてならないのだ.
こうやって考えて行くと,実は,
  • 国内で,もうTVセットを作る,というビジネスは成立しない,と考えた方が良いんじゃね?
  • だったら,いっそTVセットを廃止して,TV放送局が抱えている電波帯域を解放してやっても良いんじゃね?
  • 放送は全てIP網に移してやれば良いんじゃね?
という姿に辿り着く.別に,消費者の視点に立てば,それで十分じゃ無いか.YouTubeもあるし.言い方を換えれば,既存メディアはつぶれなさい,メーカも潰れるメディアにくっついたHWビジネスは止めなさい,それが効率が良いんだから,ということだ.
ひょっとしたら,HITACHIはそれに気がついたのかもしれない.Panasonicがいつそれに気がつくんだろう,SONYはどうするのかな?まぁ,団塊の世代がいなくなるまで,まだ暫く,市場として全く0,ということにはならないと思うけど,それでも,TVがここ数年経験してきたような「売れ方」はまずしないと思う.もっと市場規模が小さいこと,今後も縮退して行くことを前提に,ビジネスをどうするかを考えないと,赤字は減らないんじゃ無いかと思えて仕方無い.しかも,実はその原因のひとつは,確実にメディアの責任なんだ,ということをどれだけの人が意識しているんだろう?これらをふまえた上で,僕はただ単に,もっとワクワクするような未来を知りたい,見たいだけなのだ....けどね.

2012/01/10

ThunderboltでFireWire Portを

増設してみた,というお話.
この年末・年始の休みの間にやったことと言えば,
  • 自宅のMac Proに3TBのHDDをインストールして見た
  • Sonnet TechnologyのEcho ExpressCard/34 Thunderbolt Adapterを買ってみた
  • E-MuのProteus 2000に移行してみた
  • うちの車のエンジンオイルを交換した

ということくらい.他にも若干,宿題等もやっているんだが,どうも,気合が入らん,と.うだうだしておりました.

さて,で,その買ってみたSonnet TechnologyのEcho Express カード.この夏にやってきた伊丹の拠点のiMac用に買ったもの.伊丹のiMacにはもちろん,FireWire 800のポートが1つ付いてる.ただ,このポートには,Audio I/Oがぶら下がっていたりする.今後,UAD-2 Satellite等を入れたら800Mbpsのバンド幅なんてすぐに使っちゃうだろう.そう言う考えもあって,もうひとつふたつ,FireWireバスを用意したかったのだ.ちょうど,Thunderboltにぶら下げるPCI-e拡張シャーシのアナウンス等もあり,結構期待して待っていた...んだが,結果的に先に出たのは,このSonnet Technology Echo Express Card/34 Thunderbolt Adapterだった.で,今回試してみることにした.本当は,以前から出る,出ると言われていた,こっちの拡張シャーシの方が欲しかったんだけどなぁ.
購入は,秋葉原の秋葉館で1/4に.¥15,000程度.これに,MatheyのeCardBusFireWireという3ポートFireWireのアダプタカードを付けて,¥24,080也.今日,伊丹の拠点に戻ってきて,早速繋いで見た.
繋いでみると,システム上はこんな感じで,ThunderboltのバスにSonnet TechnologyのEcho Expressがぶら下がっていることがわかる.さらに,FireWire 800でHDDを繋いでやると,デスクトップ上にもFireWireのHDDがぶら下がることになる.


使ってみると,やっぱり,AirMac経由でリモートHDDをマウントして使うのに比較して,非常に快適な速度.¥20,000の出費でこの改善なら許せるかな.後で,もう少し大きな外付けHDDを準備して,少しディスク容量を稼ぐことを考えてみようかと思う.
なお,買う時に言われたけど,USBポートの増設はこのデバイスでは実施できないらしい.Webの上の情報によれば,どうも,USBドライバの問題らしく,当初はUSB3.0も使えますと広告していたようだが結局使えなくなっているとのこと.ま,そんなモンなのでしょう.将来的にFireWireがどうなるか気になるところではあるが(多分,高速HDD/SDDアクセスはThunderboltバスになるんじゃないか),当面,「音」を使うためのインタフェース不足はこれで解消できると思うんだ.iMacでも,やればできるじゃないか,という気分になる.これで,もっとThunderboltポートにぶら下げる機器が増えてくれば,僕としては嬉しいんだけど.

2012/01/06

E-Mu Vintage Proを復活させる

とは言っても,Proteus 2000にROMカードを入れました,って言うだけなんだけど.
うちのStudioには,Vintage KeysもVintage Proも入れている.Vintage Proは,結構お気に入りのサウンドモジュールで,サンプリングされたRhodesの音は太いし,Pad系の音も即戦力になるモノが多いと思う.オケを作る上で,結構欠かせない音源なのだ.それが,一昨年だったと思うんだけど,電源を入れても動かなくなってしまったのだ.で,このVintage Pro,実は,中身は同時期に発売されていたProteus 2000と全く同等のもの....らしい.そこで,既に1年以上前に,たまたま秋葉原で見つけたProteus 2000を買って置いたのだった.
ただ,それ以降,ずーっと,放置状態にしていてRackの構成を見直すことをサボっていた.で,今回,やっと,置き換えましたよ,というだけなんだけど.取り敢えず,Vintage Proに挿していたROMを抜いてProteus 2000に移植,動作することまでは確認した.ただ,実際のところ,まだMIDIの設定ができていないので,実はシーケンサから鳴らすことはできない.取り敢えずAuditionボタンで音が出るところまで確認して終わってしまっているぅ.ま,音は出たんで,ちょっと安心.

ところで,Vintage Proの方,今回ROM移植のために久しぶりに蓋を開けて確認したんだが,どうも,電源回路の電解コンデンサが破裂したみたいね.液漏れしているっぽい.Backupの電池がなくなりました,って言うことかな,と思ったんだが,基板上には電池はなかった.あるいは,裏面に入っているのかも,なんだけど,少なくとも簡単にアクセスできるところにはありませんでした.これは,どこか,E-Mu専門の修理屋さんに持ち込んでやらないとダメかもしれん.
本当は,このProteus 2000に,WorldのROMとかもさしてやりたいんだけどなぁ.ちょっと探してみるかぁ,って言う気分になっている昨今.