僕が最初に買って貰ったギターは,TokaiのCE-300という¥30,000程度のギターだった.これが,数年前,押入れから出してきて弾いてみたら,妙に鳴るのには驚いたものだ.さて,¥30,000のギターがこの程度の鳴りなら,もっと上位の楽器はどうだったんだろう,と興味を引くところだ.しかし,一時,Japan Vintageと呼ばれて,Cat's Eyes Guitar等,ほとんど市場に出まわらなくなってしまったのがここ10年位のこと.CE-200とか,たまにCE-400なら行き会うんだけど,やっぱりせめてCE-800くらいのクラスが欲しいところだ.どうも,違う.....
.....と思っていたところ,久しぶりにお盆休みの時に御茶ノ水の楽器屋さん街を歩いてたら,ばったり,80年頃のCat's Eyesが2本程,一緒に出ている.新品の定価値段が¥100,000前後の奴.あら.....で,昨日,久しぶりに御茶ノ水を歩いてみたら,まだその子達は残っている.ま,¥98,000という値付けだと,ほとんど新品定価と変わらんしな.30年前の国産モノの良さを判る奴もそうそうおるまい.ちょっと気になって弾いてみると,これが良い.直前に,68年頃のMartin D-18を弾いてみたんだが,それと遜色無い感じがする.特に,CE-1000Sというクラレンス・ホワイトモデル.確かに,当時,中学生の頃に読み漁ったTokaiのカタログにあったよなぁ.ちなみに,いくらで売る?と聞いてみたところ,在庫が長い(店先で滞留していた,そりゃそうだ,1ヶ月前にも居たし)ことから値下げをしようとしてたとのこと.頑張るよ,というので,¥87,500でふっかけたら,それで,という.思わず衝動買いしてしまった.
帰宅してから,確認してみると,どうやら80年の製造品らしい.ペグはシャラータイプになった後の「後期型」と呼ばれる奴.クラレンス・ホワイトモデルというのは,通常のD-28に対してサウンドホールがちょっとだけでかくなってて,音が大きく出るのが特徴とされている.実際,「鳴りが大きい」感じがする.フィンガーボードのインレイは(クラレンス・ホワイトのオリジナルが無いので)無し.ヘッドストックにフラワーインレイが入っているだけのシンプルな子.ネックの握りはちょっと扁平な感じ.ちょっとVシェープの感じがする(握りの背中がちょっと尖っている手触りがある)けど,幅広く薄い感じ.後,塗装は,この頃のTokaiらしく白濁が始まっている.材は,評判とおり,トップのスプルースもなかなか細かい木目で,良い感じ.ネックは,ヒール部分だけが継ぎ足しの2ピース.持ち込まれた時は,かなりネックが起きてて,アイロンかけて伸ばしたらしい.さて,どうなるかなぁ.
で,音はかなり良いと思う.素直なアコースティックギターの音.但し,ドレッドノートの印象からすると,ボトムがあまり出てこないかな.マイクを近づけて録ったらどうなるんだろ?OOO-28ECと並べて音を出して見ると面白いかもしれないなぁ.
それにしても,結局,30年を経過した国産のギターが,新品購入とさして変わらぬ値段で店頭に並んでいるというのもすごいものだ.CE-1000sは,Webを見ると,それなりに人気があるみたいだしねぇ.これで,D-28モデルの購入は不要になったな.当面,この子で済ませることが出来そうだ.
0 件のコメント:
コメントを投稿