2012/05/01

GWだからこそ曲を起こしてみないとね

 うちの会社も,GWで長期休みに入ったので,早速,横浜に帰宅.今年は,親が揃ってこの期間に海外旅行しているので,里帰りすることができない....のだ.余った時間は,諸々の宿題と,趣味の楽曲作成に充てるのが順当と言うものだろう.
 今回は伝えたいことがあったので,ちょっと集中して作業してみた.いや,4月初旬に突然降って湧いて聞こえて来た,ダウンロード罰金化の件が気になっていて,どうも,その後あまり聞こえてこないところ見ると多分,法律改正までは至らなかったようなんだが,これはObjection,と言っておかねばならんと思ったのだ.
 少し客観的な見方をすると,結局,レコード会社も出版会社も,本質は「情報の土管」役でしか無い,と思うのだ.彼らが主張する著作権だって,本質的な著作人格権では無い.所詮,著作隣接権でしか無いはずだ.その彼らが「商品が売れないのは不法ダウンロードが増えたせいだ,だからダウンロード罰金化」というのはあまりに短絡体だろう.むしろ,この行為は,音楽市場の萎縮を加速し,音楽の裾野を狭めることにしかならないと思う.そもそも,なぜ,彼らが商品を売ることができないのか,そこを分析できているんだろうか?結局,消費者が嗜好品に使える費用が限られているから,そして,その消費者が「価値がある」と認める商品を出していないからじゃ無いのか?もう少し言えば,そういう「価値ある」商品を育成して来なかったレコード会社の怠慢でしか無い.そのツケを消費者に払わせるというその姿勢はいかがなモノかと思うのだ.そう,レコード会社はその本分を見失ったから,もう斜陽産業でしかないと僕は思う.彼らが生きてこられたのは,
  • 著作権者から見て,レコード会社が集金マシンであったから:これは,上に書いた「情報の土管」と同じ趣旨だ.著作権をモノに変えて価値を作るという役割だ.そのモノを拡販することで,お金を集められる.でも,この役割は,The Netの上の経済システムが立ち上がり,メディアとしてのCD/DVD等の物理メディアが売れなくなったことで機能しなくなった.
  • 著作権者から見て,共有できる施設を提供してくれたから:具体的には,スタジオ等の高額の施設を,複数の著作権者間で共有することに存在価値があった.さらに,この場合,原盤権等の著作隣接権をレコード会社が獲得する機会にもなった.ところが,これも,最近は,PCの上でDTMを使えば結構なことが出来る.
  • 著作権者から見て,品質保証部門としての役割を担っていたから:具体的には,プロデューサのような役割を持って,商品の客観的評価,品質保証をする役割を果たせたから.出版社の編集さんの位置付けになるかもしれない.同時に,これも著作隣接権を獲得する良い機会になるはずだ.ところが,有名なミュージシャンが自分たちで自分たちのプロデュースをするようになり,それで成功しているところを見ると,多分,この役割を果たせるレコード会社はごくわずか,ということになる.
というあたりだろう.ところが,個人が出来ることが増えた(The NetとPCを使って,大抵のことは安くできるようになった)ので,この役割での存在価値が減ってきたのだ.後は,大きな資本を使うことで,プロモーションを打てる,という話はあるかもしれない.でも,これは,費用を回収できる「大物アーティスト」にしか対応出来ない作戦だ.しかも,彼らには,別にプロモータもたくさん付いているだろうしね.あまりここでレコード会社が価値を生むことができそうも無い.
 そう考えていくと,レコード会社というのは,本当に「面白いオンガクを見つけてきて,さぁ,これはどうだと消費者に紹介する」とか,「面白いオンガクを育成する」という役割しか残されていない,と思うのだ.そこに,本来払うべき企業努力を払っているのか,と,僕は問いたいのだがね.
 それを,今回,ダウンロード罰金化する,という働きかけをしていて,国会議員の先生たちもほとんど騙し終えた,と言う話だ.だけど,これをやると何が起こるか,という議論もネットで見かけたな.法律事務所がネットを監視しだして,ゴロツキのようにして「お前違反したろう」と和解訴訟を持ちかけるらしい.それで何が起きるか.オンガクの主要な消費者である若い世代が軒並み,これで絞り上げられるらしい.それって,オンガクを消費する重要なマーケットを萎縮させることは容易に想像できる.そうすれば,ますますレコードは売れなくなり,オンガクは聞かれなくなる.それ以上に,オンガクを聞かない人が増えれば,オンガクを志す人も減る.結局,今までの大御所ミュージシャンだけが残って,類型化されたツマラナイオンガクだけが市場を席巻すると思う.面白くなければみんな乗ってこないから,もちろん,売れるオンガクもなくなる.悪循環だ.どこに「文化を守るために著作権」という枠組みがあるんだ?主要なオンガクマーケットは,ますますアングラ化していくんじゃ無いかな.レコード会社が潰れても僕は困らないけど.でも,きっと,楽器が売れなくなって,楽器屋がなくなるんだよなぁ.
 さて,こんな将来像を,どれだけの人が認識しているんだろう?個人的には,著作権があるモノをThe Netにアップした人にこそ,懲罰的な課金をすべきだと思うんだけどな.その行為は,いわば「放送」に相当するワケで,放送する側が責任を持って著作権料を払う,その契約をしていない放送に対しては懲罰的な課金をしていく,という作戦が一番,妥当な解決策だと思う.
 こう言うストーリにしたら,レコード会社の仕事も,The Netの監視という,著作権者にとっても価値を生む活動ができてくるし.本来,こうした作業はJASRAC等の著作権団体のモノらしいが,JASRACもその役に立っていない現状を考えたら,それをしっかりとレコード会社がやれば良いじゃ無いかと思う.そうじゃ無ければ,Avexのようにタレント事務所みたいになるかだね.

 いづれにせよ,オンガクに関して言えば,著作権の話は,いかに消費者に目溢しをしつつ,絞れるところから絞るか,だとは思う.ただ,消費者に刃を向けちゃいけない.それは全体のバランスを崩すだけじゃ無い,将来的にオンガクを潰す.それは僕らが求めている世界じゃ無いはずだ.そこまで考えて,不正ダウンロード罰金化,等と言っているんだろうか?気になるところだ.
 ま,そんな思いがあったので,こんな曲が出来た.
 4月初旬から暇を見ては,曲にならないか試行錯誤していたんだが,なんとなく,連休直前の金曜日に浮かんだフレーズをそのまま曲に落とすことが出来た.昨日,一回まとめてみて,歌詞が納得できなかったんで,今日はそこを見直し.結局,メインボーカルは初音ミク,ユニゾンで「おじさん」のセリフをVY1V3,そして途中からコーラスで巡音ルカ,という構成になった.
 この曲に関しちゃ,曲の趣旨からも,非営利目的での再配布,ダウンロードはご自由に.ま,いつものフレーズですが.

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