2012/10/08

CE-1000sのブリッジピンをエボニーに交換

3週間前に購入したTokaiのCE-1000s.どうも,自宅で週末の都度弾いているんだが,なんか音が硬い気がする.音がきらきらしすぎる.何より,ドレッドノートの癖に,低域がどうも出てこない.前からうちにあるOOO-28ECの方がボトムの音が出てるんじゃねーか,と気になりだした.
そんな折,Webでどうしたものかと漁っていると,どうも,ブリッジピンをエボニーなりローズなりの「木製」にすると,少しキラキラ感が減るらしい,という記事を見かける.モノは試しだ,と,早速,御茶ノ水にブリッジピンを買いに行ってみた.買ってみたのは,C.F.Martinの純正パーツで,エボニーで出来たブリッジピン.¥2,100也.
帰宅して,今試してみたところなんだが,若干,高い帯域は減った....かな.ただ,鈴鳴りっつーの?あのキラキラした音は相変わらず.どうやら,1弦,2弦あたりが,鈴鳴りの原因みたいな気がする.一方,ボトム側はというと,少し温かい音になったかもしれない.但し,音の輪郭が怠ける方向なので,これが良いことなのかは判らない.気持ち,程度の変化でもあるし,あるいは,弦を張り替えた方が早かった....かもしれないなぁ.ま,暫くこれでやってみようとは思う.
後,やっぱり箱の鳴りが問題だよねぇ.まだ,音が硬い気がする.暫く弾いてもらっていなかった個体なのかもしれないんだが,まだ「箱がなっている」音では無いように思う.もっと弾き込んで,楽器の目を覚ましてあげないと,根本的にいかん,のかもしれない.なかなか,アコースティック・ギターは難しいっす.

2012/09/17

Tokai Cat's Eyes CE-1000Sを買った

僕が最初に買って貰ったギターは,TokaiのCE-300という¥30,000程度のギターだった.これが,数年前,押入れから出してきて弾いてみたら,妙に鳴るのには驚いたものだ.さて,¥30,000のギターがこの程度の鳴りなら,もっと上位の楽器はどうだったんだろう,と興味を引くところだ.しかし,一時,Japan Vintageと呼ばれて,Cat's Eyes Guitar等,ほとんど市場に出まわらなくなってしまったのがここ10年位のこと.CE-200とか,たまにCE-400なら行き会うんだけど,やっぱりせめてCE-800くらいのクラスが欲しいところだ.どうも,違う.....
.....と思っていたところ,久しぶりにお盆休みの時に御茶ノ水の楽器屋さん街を歩いてたら,ばったり,80年頃のCat's Eyesが2本程,一緒に出ている.新品の定価値段が¥100,000前後の奴.あら.....で,昨日,久しぶりに御茶ノ水を歩いてみたら,まだその子達は残っている.ま,¥98,000という値付けだと,ほとんど新品定価と変わらんしな.30年前の国産モノの良さを判る奴もそうそうおるまい.ちょっと気になって弾いてみると,これが良い.直前に,68年頃のMartin D-18を弾いてみたんだが,それと遜色無い感じがする.特に,CE-1000Sというクラレンス・ホワイトモデル.確かに,当時,中学生の頃に読み漁ったTokaiのカタログにあったよなぁ.ちなみに,いくらで売る?と聞いてみたところ,在庫が長い(店先で滞留していた,そりゃそうだ,1ヶ月前にも居たし)ことから値下げをしようとしてたとのこと.頑張るよ,というので,¥87,500でふっかけたら,それで,という.思わず衝動買いしてしまった.
帰宅してから,確認してみると,どうやら80年の製造品らしい.ペグはシャラータイプになった後の「後期型」と呼ばれる奴.クラレンス・ホワイトモデルというのは,通常のD-28に対してサウンドホールがちょっとだけでかくなってて,音が大きく出るのが特徴とされている.実際,「鳴りが大きい」感じがする.フィンガーボードのインレイは(クラレンス・ホワイトのオリジナルが無いので)無し.ヘッドストックにフラワーインレイが入っているだけのシンプルな子.ネックの握りはちょっと扁平な感じ.ちょっとVシェープの感じがする(握りの背中がちょっと尖っている手触りがある)けど,幅広く薄い感じ.後,塗装は,この頃のTokaiらしく白濁が始まっている.材は,評判とおり,トップのスプルースもなかなか細かい木目で,良い感じ.ネックは,ヒール部分だけが継ぎ足しの2ピース.持ち込まれた時は,かなりネックが起きてて,アイロンかけて伸ばしたらしい.さて,どうなるかなぁ.
で,音はかなり良いと思う.素直なアコースティックギターの音.但し,ドレッドノートの印象からすると,ボトムがあまり出てこないかな.マイクを近づけて録ったらどうなるんだろ?OOO-28ECと並べて音を出して見ると面白いかもしれないなぁ.
それにしても,結局,30年を経過した国産のギターが,新品購入とさして変わらぬ値段で店頭に並んでいるというのもすごいものだ.CE-1000sは,Webを見ると,それなりに人気があるみたいだしねぇ.これで,D-28モデルの購入は不要になったな.当面,この子で済ませることが出来そうだ.

2012/08/19

夏休みの宿題

....という訳では無いんだが,兵庫に職場が変わってからは,長期の休みには何とか新曲を起こして公開したいものだ,と,目標を持っていたんだが.....今年はGWまでは何とか耐えたものの,その後がいけない.メロディまでは何とか「こんな感じかな」というところにたどり着くものの,その先の歌詞が生まれてこない.結局,夏季休業が終わって最初の週末までかかってしまった.何とか,形が見えてきたので(完璧,とは言わん,まだボロボロなのは良くわかってる),公開してみる.
今回の曲は,実は5月には基本のメロディは出来ていたのだ.ダウンロード罰金化の著作権改悪法案が参院を通った時に,やっぱり意見表明をしたいな,とシーケンスを起こしたんだけどな.
最初の躓きは,ギターの音が中々定まらなかったこと.本当に最初は,伊丹にあるギターで作ろうと思っていたんだけど,どうも音が決まらなくて.結果的に,去年衝動買いした90年代のFender Custom-shopの50's Telecasterのpick-upを交換し(Fender Custom-shop製の50 Nocaster pickupに交換した)てRhythm Guitarの音は納得できるようになった.
しかし今度は,Lead Guitarの音でまた悩んじゃった.50's Telecasterのカッティングが,なんとなく,The BeatlesのGet Back the Rooftop Live vers.を彷彿とさせる音になったんで,同じ時のCasinoの音になれば面白いかな,とも思ったんだが.....結局,こっちに持ってきたES-335では納得できなくて,一度は横浜に残してきたTokai ES-175を使って見たりしたんだけどね.うーん.....今度は,「音の汚し方」で悩んじゃった.色々試したが,どうもしっくり来ない.
その上,歌詞も出てこない.最初のワンフレーズは気に入ったんだけど,そこから先への展開が進まない.サビ部分の歌詞で「あぁ,そうか」と言う言葉が出てきたのが6月だったかな.でも,お話として全然まとまってくれない.
結局,最終的に,ES-335のネックをこちらの楽器屋で調整して貰って,オクターブ調整,弦のテンションを緩めた上で,ピックアップもかなり落としたセッティングにして,なんとかLead Gtr.の音が固まった.今回の録りでは,ちょっと固めの音になっちゃったけど.ついでに,ベースは伊丹に来てすぐに買ったStingray 4のフレットレスで録り直し.ぶるぶり感が出て,Jazz Bassじゃ出ない音だな,という点では,これは良かったかなと思う.そんなこんなで,やっとイメージが固まったかな,というところで,歌詞が最後に残った.でこの部分を昨日,今日の2日間で強引にまとめて見た.でも,まだ,お話として,話者の立ち位置が一貫性が無いんだよなぁ....と,まだ悩み中.
さて,こちらに来てから1年半で,なんとか6曲.3ヶ月に1曲,というペースで曲は上げられている.今回は,夏季休業中に終わらせられなかった,ってのがねぇ.なんか,夏休みの宿題を8/31に終わらせられなかったような気分になっている.
もっとも,コード進行とか音作りとか,そろそろワンパターンになってきたんで,違うパターンの曲も必要だなという認識はある.さて,次は「何かもっと違う曲想」をまとめて見たいもんだ.....やれやれ.

2012/08/01

e-mobileの25HWをGL04Pに機種変してみる

契約から5年,既にWiMaxも入れてしまい,ほとんどサブ回線になっているe-mobileだが,サブ回線ならやっぱり回線維持費が気になるところだ.¥4,500程度,ドライブ時に車内の回線用に使っている程度なんだが,やっぱり気になる.ちょうど,キャンペーンで,端末は¥1,維持費は¥3,880/月フラットの契約,やってるよ,ということで,ふっと思い立って機種変更をしてみた.今回,LTEにすることでSIMも含めて交換.....
機種は,ちょっと倍くらいのサイズに大きくなるのが嫌なんだが,最新版のGL04Pにして見る.2年+アシスト160で¥3,880/月,向こう2年は解約出来ない縛りが付くのが気になるところだが.ま,サブ回線で動きは少ないだろう,と割り切ることにした.大阪のヨドバシで契約,40分程まって端末を入手.早速,寮に戻ってセットアップをして見たんだが....どうも,USBで繋ぐためのドライバがインストール出来ないよ,という事態に辟易中.後は,DNSを192.168.1.1を参照するようにしないと,うまく端末のWi-Fi側の設定が出来ない(Network名を変えたり,パスワードを設定したり出来ない)という点がちょっといらいら.ま,取り敢えず,mobile端末も含めて,WiFiは使えるように設定完了.

結局,e-mobileは,料金はフラットとは言いながら,データ転送の上限値は決めていて,これを超えると多分帯域制限が出てくるところは変わらない.そんな上限を気にしながら使うなんて,帯域制限が起きるのは1日単位だと言うけど,ちょっとやだなぁ.ついでに言うと,横浜の自宅界隈は,まだLTEは怪しい状況,というのも気になるところ.まぁ,それでも,D25HWよりも早い3G通信は可能なはずで,かつ日維持費が抑えられるなら,ま,それはいいかな,と判断している.どっちにせよ,日常的にはWiMaxがメイン,たまにe-mobileのLTEという運用になると思う....しね.使ってみて,気になるところがあれば,また報告もできるし.

2012/07/15

電力会社の不思議

原発を止めるか動かすかで世論は大きく二分されている,ような気がする.原発を止めたいという人達が首相官邸前に集まってデモしているみたいだし,その人数は最近どんどん増えている,って言う話だ.一方で,電気を安く提供してくれないと困るという,これは経済団体の皆さんが一様に言うことで,こちらは電気代の値上げという形で僕らの生活にも表れている.ここ数週間程,関西電力の「計画停電」騒ぎは具体的なリスク軽減策の策定にまで至って,せわしなくなっているのも事実.どうも,経済界では電気代を抑えながらベースとなる電力を安定して供給するために,原子力発電所は是非とも必要,という話らしい.もっとも,関西地方は気温35℃を超えたら計画停電も不可避だろう,と言う話もある一方で,現状を見ているとなんか大飯を再稼働させなくても実は計画停電は不要になったんじゃ無いか,って言う様相も見せている.
こういう様相をつらつらと見ているに,ふっと気になることがあるのだ.それは,原子力発電所の老朽化に対してどう対応するの,という視点である.まず第一に,原発は老朽化する.放射線を浴びた原子炉の構造物は脆弱になるとされる.だから,原子炉は40年以上動かすのは止めよう,という話になっているはずだ.同時に,では原子炉の臨界が止まれば,すぐに原子力発電所は放棄出来るかというと,そうでは無い.使用済みの燃料棒が出す崩壊熱を取り除くために,また,安定した状態を維持するために,何年も冷却する操作は必要になる.これは,今,原子力発電所を止めたからと言って,もう放射線フリーです,という世の中にはならないということだ.しかも,所謂「放射能汚染」をされた廃材がたくさん出る.これらも,四散しないようにガラスに封入して,安定的な場所に置いて置くことが必要になる.原子力発電所というのは,それを廃炉にしたからと言って,すぐに「捨てます」とは言えないモノなのだ.その先も長期間,放射線を管理するためにコストがかかる.
不思議に思うのは,この廃棄コストのことを,国内の誰も語らないことだ.有効なデータが無いワケでは無い.東海村の実験炉等は,原子炉廃棄のコストを具体的に把握するために,既に廃炉,解体の作業をしていたはずだ.で,原子炉推進派の方々は,このコストをどう考えているんだろう,どう負担するつもりなんだろう,という疑問が生まれるのだ.もちろん,「今すぐ止めてしまえ」派の人も同じ.今「まだ使える」原子炉を止めて,では化石燃料を燃やして出てくるCO2とかどうするか,という議論が無いのである.実際,U.S.は,CO2排出を抑制するために原子炉を,と言っているはず.ま,あの国は,その後の原子炉廃棄についても「許容出来るコスト」の範囲で実現できるから,このような施策の選択も可能なんだろう.
実際のところ,この原子力発電所を廃棄する,という措置もすごく高コストになるので,多分,電力会社は「廃炉」をしたく無いのだ.さらに,単に「止めて置く」ということも,その間(半端無い)管理コストしか産まないので,これもやりたく無い.結局,運転することに一定のリスクがあるとしても,施設がある以上使わないと損なのだ.だから,東電も福島第一の古い原子炉を,それでも11年の3.11まで回し続けていたのである.しかも,古い炉であろうと,問題は起きないとごり押しをして来た,というのが,僕の理解だ.
さて,こういう前提で原子力発電のコストを考えると,たとえ,福島第1の問題があろうと無かろうと,現在ある原子炉は40年運転したら,そこで一度「廃炉」にせねばならん,ということになるはずだ.では,電力会社なり,経済団体の皆さんは,この「廃炉」のコストをどう考えているんだろう,という議論が全く欠け落ちているように感じるのだ.原子力発電所の廃炉は,前述の通り,すぐに使用済核燃料を抜き取って,建物をスクラップにすれば良い,というものでは無い.継続的に使用済核燃料を原子核の崩壊があるレベルに到達して崩壊熱が十分に抑えられるようになるまで,継続して冷やさねばならん.その上,建物だって放射性廃棄物の扱いになるから,これらも厳格に管理せねばならん.そうすると,たとえ原子炉を止めたからと言って,すぐにその同じ場所に次の原子炉を建てられるワケでも無い.新たな原子炉の立地を確保出来ない場合,放置していても本当は「次に原子炉を置く場所が確保出来ないから,原発が準備出来ない」という事態になる.そこまで考えて,では電力のコストは適正な状況にある,コストとして許容出来るんだ,という議論をしているんだろうか?そこまでのコストを考えていない,としたら,企業経営者としての視野が狭い.将来起こるリスクに対して,何もコンティンジェンシもミティゲーションもしていない,ということで,それ自体が既に経営者にとって致命的な欠陥だとも思う.
もちろん,目先の感情的善悪論で,原発は駄目,見たいな態度でも議論が前向きになるワケは無い.ただ,もう一方の勢力も,ここまでの情報を出してコストを示して,納得出来るかという議論をしなくちゃ意味が無いはずだ.原子炉の安全な運転,と言うのは,それは可能性はまだあると思う.また,安定したエネルギー源が必要なのも事実だ.でも,コスト計算で全体がどうだ,という正しい積算根拠を示さないと,本当に経済的なのか,全く判らないままになってしまう.その中で,本当に正しい判断を下せるのだろうか?結局,そうでなくても,ヒステリックな市民が,ただ感情的な議論で「反対」を唱えるだけだ.声の大きさと,発言の野蛮さで,彼らを凌駕することは無理だ.せめて,議論として正しいロジックを示すことが大事なんじゃ無いだろうか?

2012/06/16

Fender Customshop Telecasterのpickup交換

実は,昨年秋口に,Fender Custom Shop 97年製50's Telecasterを伊丹のサテライト用に買ったんだが,どうも音が気に入らない.横浜の家においてある50 Nocasterと比較して,どうも「枯れた味わい」が出ない.Brown Sunburstのボディも,ちょっと飴色のネックの塗装も風合いは渋いし,ボディもそれなりに鳴っている.材の見た目も良い音を出すのに十分そうな,良い感じに見えるんだが,どうも出音が「枯れ無い」のだ.¥200,000で衝動買いした子なんだが,どうも今ひとつ感が漂う.
さて,こうなると,不満が募る.あるいは,piezo pickupでも載せて,エレアコのようにしてみようかとか,いっそGRシンセ用のpickupでも載せようかとか,色々妄想して見たんだが,楽器屋の兄ちゃんに相談してもあまり「期待したほどじゃ無い」と言う結論になる.うーん,それなら,いっそpickupを変えてみるか?Webをあさって見ると,どうやら,最近は,Fender Custom shop 50 Nocasterのpickupも単体で売っているみたいだし.個人的にも,pickupの換装が,音にどこまで影響を与えるか気になるところではある.
そこで,先々週の週末,都内に出た時に,御茶ノ水のギタープラネットで,この50 Nocasterのpickupをオーダして見た.定価¥33,000のところを,値引きして貰って,たしか¥26,300,だったかな.最近,ここで良くギターを買っていることもあり,顔を覚えて貰ったので,顔パス状態.ギターを持ってきてくれたら,店頭で換装作業もするよ,と言って貰ったので,ギターを担いで行ってみた.作業は無理を言って,1時間程度で何とかやって貰った.
結果は,まぁ,正解,かな.本当は,もう少し音が「枯れて」欲しいなと思ったんだが,そこまでは枯れ無い感じ.ギタープラネットの店頭で試させて貰ったんだが,N.O.S.仕様のFender Custom Shop 50 Nocasterとほぼ互角にはなった.Relic仕様だともう少し枯れた感じになる,という印象が強いんだが,まぁ,少しは近づいたと思う.店の兄ちゃんによると,90年代のFender Custom shopは,下地にポリ塗装ががっつり入ってて,中々,枯れた音にはならないらしい.うーん,次は塗装のやり直しでも画策するか?まぁ,それでも,今回,ついでにネックの調整(トラストロッドの締め増し)と,オクターブチューニングもちょっと調整して貰ったのもあり,まぁ,良い感じにはなったと思う.
取り敢えず,当面は,この子と,Gibson ES-335 Larry Carltonモデルの2本が伊丹用ということになるかな.後は,TokaiのLes Paulモデル.ギターは当面,この3本で.後は横浜に色々とあるし,伊丹の方はこの子たちで頑張って見る気にはなったのが,一番の収穫かもしれない.

2012/06/10

TEPCOの間違い

昨今,TEPCOの料金値上げが大きな議論になっている.もちろん,反対の声が多いのは当然のことだが,どうもTVニュースを見てて気になることがあるので,ちょっと書いてみたくなった.
TEPCOの本質的な経営判断の間違いは,以下のようなところだと思う.この辺りの整理が出来ていない以上,潰れるのも覚悟で,現状の料金体系を維持するしか無いんじゃ無いだろうか?潰れてもいいじゃん,という割り切りも,多分,同時に必要なのだ.
  • 福島の原発について,40年超えになりそうな環境下で,それでも古い炉を動かし続けたこと.もちろん,炉の廃棄とそれに伴う費用,新しい炉を新設する設備投資の大きさは考える必要があるが,原子炉を運用することで燃料費を抑えられたのも事実.これを,ひたすら現状維持で運用し続けようとした経営判断が議論されていない.
  • その原子炉の「もしもの時の」危険性が指摘されながら,これはTEPCOが反対したこと.原子力安全保安院だったか,委員会で指摘された「全電源喪失」の可能性に対して,TEPCOと関西電力はいずれも「これこれこういう対策を行うから大丈夫」と自身で作文して対策は不要としていたこと.これも,投資対効果という経営上の判断が根拠にあったはずだ.
要するに,彼らは過去に「今回のような事故に陥る」可能性を,当面の投資対効果という観点から,全力で否定していたのは,TEPCOの経営陣だ.その結果として,今回の結果が得られている.この過去の経営判断を誰が下したのか,その結果得られた「余録」はどこへ行ったのか.本来,問わなければいけないのは,この部分のはずだ.少なくとも,そこで投資削減の効果として得られた「経営の損失」分は,TEPCOの経営判断の責任として明確にしなくちゃいけない.その上で,それ以上の費用増加に関しては,市場の燃料需給状況から「サービスを受ける側」が本質的に引き受けねばならない,という議論をしてほしいのだ.
しかるに,現状の経済産業省主催の「電気料金値上げに関する公聴会」での議論で,以上の2点をどこまで問うているのかが全然伝わって来ない.どうあるべきかという議論に繋がらない.ただ「電気料金を上げさせろ」というTEPCOと,「東電憎し,値上げ反対」の市民感情の対立という構図しか伝わって来ない.TEPCOの「ごめんなさい,過去の経営判断が間違いでした」と言わない現経営陣も問題なんだけど,今のことしか言わない市民もどうだろうと思わずにはいられない.
ちなみに,福島第1原発で,僕が気になっているのは以下のようなことだ.
  • なぜ,全電源損失の可能性が国内で議論された時に,それは起き得ないといったのか?その全電源損失が何によってもたらされると言う議論をしていたのだろうか?
  • 福島の古い原発が,U.S.からの直輸入品だったから,非常用の電源とかを地下に置いた,その理由は彼の地で問題になるのは「竜巻」だからだ,という情報は得ている.竜巻が起きた時に,全電源損失を招かないように非常用電源を地下に置く,という判断は大変正しく見える.そのような「システム設計の根拠」に立ち戻らずに,なぜ安全性は大丈夫です,と言って来たのだろうか?
  • 東北地方で大きな地震が起きる可能性は,今回の事故の数年前から議論のまな板には乗っていた.それを「起きない」とした根拠は何なのか,なぜその状況でも大丈夫という判断をしたのかをきちんと説明していない.どういう根拠だったのだろうか?
簡単に言えば,海のそばにあったディーゼル燃料の貯蔵庫を,少し高いところに移設するとか,非常用の電源装置を建屋の上に置くとか,僅かな費用で対応出来そうな改善策はあったはずだ.それを現状維持で通したのは経営判断だ.その結果得られた損失は,消費者の責任では無い.サービスを提供した側が責任を持って対応すべき範囲だと思う.もっと言えば,その結果とその後のTEPCOの経営陣の対応のまずさが,現状の「国内の全原発が止まっている」事態を招いている,という自覚があるんだろうか,と思ってしまうのだ.
同時に,こうした知見をきちんと「反省」として表明することで,例えば,関西電力等,他の電力会社が今何をすべきか,どういう情報を出して周辺住民に「安全です」と納得いただくか,という基準が明確になるはずだ.そうした議論,反省が無い現状が,エンジニアである僕にとっては,非常に歯がゆい.もっと言えば,その態度が原子力産業を潰している,ということになっているのでは無いだろうか?