2013/07/30

伊丹すたぢおの移転

伊丹に移ってからは,会社の独身寮に伊丹すたぢおを設置していたんだが.諸々の要因で,伊丹すたぢおを移転することにした.
ことの発端は,会社の独身寮というのは,単身者赴任の場合,3年したらでなくちゃいけない,というルールがあるのを知ったこと.去年の12月に,それで社宅の斡旋見たいな案内が来たんだが(実は募集期間中は全然気がついていなかった),その時に初めて,そんなルールを知ったのだ.ところが,この社宅がまたえらく駅から遠いところでね.不便そうなんだよ.しかも,うちの会社が古い独身寮を閉鎖していて,今いる寮の人口がそのとばっちりで若い転入者が増えた,というのも後押ししている.寮の部屋がいっぱいになっちゃって,隣の部屋にいる人の息遣いが聞こえちゃうの.なんか宅録しずらくなってしまった.
もうひとつ,うちの弟が,実は僕の3ヶ月程後から,神戸の方に転勤になっていたのだが,こいつが何考えたんだか,¥100K/月という高いコストで部屋を借りやがって,しかも「金が無い」等とほざくのだ.で,それなら,ひとつ中古の「ハコ」をこっちで用意するから,光熱費と管理費を弟にもたせよう,ということにした.彼の月々の出費も半額に抑えられるし,不満は無かろう.僕の方も,銀行の定期預金金利は最近無茶苦茶低くて,銀行にお金を預けている意味が無いこと,総理大臣が「輪転機グルグル」なんて発言してたら現金資金の価値もどうなるか怪しいこと,さらにどうせ来年3月には消費税が上がるだろうこと,なんてのもこの決断を後押ししている.
一方で,ではどんな物件を買ったかというと,築30年余り,床面積58㎡程度の小さな部屋だ.正直言って,駅に近くて買い物に便利なこと,程度のメリットしか無い.リフォームしていなかったら,後10%は安く買えた,という物件だ.ま,リフォームしてあって,マンションのメンテナンスもそこそこしているようなんで,後10年くらいは持つだろう,という判断である.地の利が良ければ,手放す時もそれほど値崩れしないだろう.もっとも築30年経過しちゃった物件なので,その点はまだ「賭け」の部分が残っているんだが.手放す時のこと考えると憂鬱だなぁ.
....ということで,今回,ひと通りのことをやってみたんだが,どうも,やってみた側からすると,この不動産仲介業の連中には非常に不満を感じた,というのが,今日の主題.購入価格の3%+6万円だかの仲介手数料を取っている割に,これが大した仕事をしていないのだ.顧客のエージェントとしての立ち位置を理解していない,機能していない,という不満を抱いた.いや,たまたま,エージェントになった営業社員が「程度が低い」のかもしれないんだが.旧財閥系全国展開の大手不動産業の社員でこの程度なのか,と思ってしまう程に,立場を弁えていないように見えたのだ.
不満に感じたことはいくつかあるんだが,煎じ詰めれば次のようなことにまとめられると思う.ひとつは,不動産購入に付随する諸々のことに対して,ワンストップサービスという概念を持って当たっていないこと.もうひとつは,エージェント契約を結んだ顧客の「不動産取引に関わる不安を取り除く」作業を全くしないこと.
前者に関しては,例えば火災保険の締結がある.今回,銀行に無駄に儲けさせる気はなかったので(大体,預金金利下げたままで,大儲けしているらしいし),現金一括払いを選択したのだ.そのため,現金で買える範囲の物件にしたんだが,そうすると,火災保険が一切つかない.不動産業者に「どこが得なのか調べて」と指示しても,損保保険会社のパンフレットをWebページから印刷するくらい.ローンを使えば,銀行が担保物件の毀損を予防するために,火災保険を必ずかけさせるんだが,現金ニコニコ払いだと不動産仲介業は売ればおしまい,となる.同様に,駐車場の手配も同じ.駐車場業者を紹介するだけでどこが良いとか,そういう話は考えない.要するに,支払いに対するサービスとして価値のあることをしていない.
さらに,駐車場の件,購入した物件の南側には大きな駐車場があって,そこが使えれば良いね,と弟と話していたんだが,エージェント契約したこの不動産業者は「そこは7/31で閉める」という話を持ってきた.おいおい,南面が開けているのがこの物件の価値だろう,そこに何か建つんだったら,何が建つか調べろよ,と突っ込んだんだが,帰ってきた答えに笑った.「建築許可申請が出ていません」と答えてくる.まるで「何も調べる義理はございません」と言っているようなものだ.エージェント契約をした割に,お前その態度で良いの,と思う.しかも,自分で駐車場業者に直接聞いたら,すぐに「どうもスポーツクラブが出来るみたいですよぉ」と言う情報を得ることが出来たのだ.それをヒントにWebを調べると,どんなスポーツクラブなのかも大体判った.多分,高い建物にはならんだろうと思っている.
なにせ,すべてにあたってこんな塩梅だ.「住」の立ち上げに関わる諸々の段取りについて,実に顧客の立場に立った諸々のことをサービスしていない.その癖して販売価格の5%だかを手にするんだから,無駄だなぁ,と思ってしまったのだった.
どうも,考えて見るに,不動産仲介業というのは,元々「どれだけ良い物件を知っているか」にビジネスの価値があったんろう,と思う.どころが,今や,物件情報は業者のネットワークで共有され,さらに消費者に対してもSUUMO見たいなサービスが出て来ている.すると,もう,「良い物件を知っていること」の価値は相対的に下がってしまうのだ.もうひとつの価値は,物件の内覧のために,部屋の鍵を準備する,売主さんと調整する.等の段取りを組む作業が重要になる.ところが,この段取りを組む作業は,実はエージェント契約を行う前の段階なので,利用者から見たら無料でサービスしてくれている,くらいにしか感じない.後は,不動産登記をする司法書士を知っているとか?勿論,高額な物件を扱うので,それは大事なのだが,逆に言えば街の小規模な不動産業者でも出来る話.
そう考えていくと,この仲介手数料は取り過ぎじゃ無いか,という気分になってくる.ところで,この仲介手数料は,どうも法律で定められている上限値らしい.だったら,企業努力なり,手抜きしたらもっと安くするなり,そういうことをしてほしいものだ,と感じてしまう.この仲介手数料の設定も独禁法違反じゃ無いのかね?
どうも,そうやって考えていくと,現状の不動産仲介業というのは,ビジネスとして行き詰まるるんじゃないかな,と思えてしまう.逆に言えば,この行き詰まり感の中に,次のビジネスチャンスがあるのかもしれないけどね.なんか,無駄な手数料ばっかりかかるもんだな,と,今回思ったのだった.

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