2020/03/22

MOTU 828esを導入する


それは,先週末のことだった.随分と長いこと使ってきたMOTU 828mkIIが突然,使用中にHangすることに気がついた.伊丹スタヂオでは,MOTU 828mkIIとMOTU 828mk3の2台を使っていて,828mk3の方がメインのAudio I/O,828mkIIは2台あるGuitar Amp Simulatorの出力を2chにまとめるsub mixerとして使っている.これを入れないと,うちのaudio setのメインであるMackie 1604 VLZの入力チャンネル数が足りなくなる.それと,伊丹スタヂオの古いMIDI音源用のMIDI I/Oとしても使っていたりする.これが故障すると,MIDI音源が機能しなくなるのも辛いところだ.これじゃ宅録できないじゃん,参ったなぁ.
このMOTU 828 mkIIの故障なんだが,様子を見ていると,電源を入れ直して10分とかするとHangする,という現象.Mac側から見るとFireWireバス上では機材として活きているようにも見えるが,MIDI信号が出力が出せなくなるようだ.これはいかん....ということで,ほぼ9年ぶりになる,Audio I/Oの見直しに着手したのだった.
まず,伊丹スタヂオの19" Rackはこれ以上大きくしたくない.現状,26U分,すべて埋まっていて,patchbayも含めてひとつも外せない.最初に思いついたのは,以前,中古で買ったMOTU MIDI Expressが余っているので,これとMOTU 16Aを使うこと.16chのAudio I/Oを入れれば,Guitar Amp Simulatorの出力6chも繋げて良さげではある.ただ,16Aはフロントにマイク入力を持っていないとか,ヘッドホン出力もないとか.これではRackの使い勝手が下がりそうだ.MIDI音源の出力を束ねているTASCAMのLM-8STをMOTU 16Aに置き換えることも考えたが,それだと問題の解決にならない気がする.新しいAudio I/Oでもヘッドホン出力を2系統,フロントパネルにマイク入力を用意した上で,MIDIポートも用意するとなると,MOTU 1248ではMIDIポートがない.MOTUのHalf-Rackを使うのも手だが,これもMOTU 8AMOTU Micro Expressを並べてラックマウントする....くらいしか手がない.結局,MOTU 828esをメインのAudio I/Oにして,MOTU 828 mk3をMOTU 828mkIIの代わりにGuitar Amp Simulatorの出力を束ねるmixerに使うのが良いか,となった.
では,MOTU 828esはいくらになるか,と言うと,Webで検索すると本体価格が¥125Kというところ.消費税を入れて¥137.5Kとなる.うーん.先月,Acoustasonic Telecasterを買っちゃったなぁ.しかし,現状では宅録もできないし....困った時には,いつもお世話になっているLOFT茶屋町の楽器屋にご相談.大体,底値がこれくらい,と調査はしているんだが,ここから勉強できる?と電話で聞いてみた.嬉しいことに,税込みで¥130Kで手を打つと言ってくれたのが,3/17のこと.3/18に,会社が終わったあとでお店に出向いてお金を預ける.国内在庫はあるので土曜日には入荷するとのこと.
木曜日は会社を休んで,横浜スタヂオのRack組み換え作業をするために帰宅.あっちこっち,修理に出してた機材をRackに入れ直して,MIDIワイヤリングとか,Audioのワイヤリングしなくちゃ,と.金曜日に,楽器屋から入着の連絡があり,それならと日曜日は伊丹スタヂオに戻ってMOTU 828esを引き取ることにした.
そんなこんなで,今朝は起きたら,まずRackから828 mkIIを抜く作業をする.828 mkIIも修理して貰えるなら,スペアのAudio I/Oができて,それはそれで大変うれしい.色々と使えるしね.で,外したMOTU 828 mkIIをぶら下げて,茶屋町の楽器屋へ.少しずつ,Analog線をバランス化しようと思い立ったので,別のマニアックなケーブルを揃えている楽器屋に立ち寄って,XLR♂ーTSR♂の1m程度のケーブルも2本オーダしておく.で,828esをお願いした楽器屋で,828mkIIを修理依頼してオーダしていた828esを引き取る.さっきケーブルをお願いした楽器屋に立ち寄って,オーダしたケーブルを引き取って,などとして伊丹スタヂオに戻る.早速,Rackに積み込んだ.828esのワイヤリングをするついでに,裏面のケーブルも,先日買ったTRSバランスの短いケーブルに置き換える作業もした.なんとか,色々とワイヤリングが終わって,音出しテストも終わったのは1900頃かな.夕メシを挟んで,細かい設定をしたりしてて,あっという間に夜中になってしまった.
結局,828esは,Universal AudioのApollo FW /w ThunderboltカードからカスケードでThunderboltで接続.うちのUAのThunderboltカードはTB1仕様なので,Apollo FWにインストールしているとThunderbolt→FWのブリッジもしてくれる.これは大変助かった.このブリッジ昨日を使って,828 mk3はApolloのFWポートへ,828esはThunderboltバスへと繋いで置く.あとは,Audio I/O3本を同期させるため,Word Clock信号をお互いに回す形にして置く.長期的には,多分クロックジェネレータを入れないといけないんだけど,今はこれで済ませておく.で,動作確認.まず828es用のドライバをMacにインストールして,電源を入れて.で,色々と設定をしようと,MOTU Discoveryから828esへアクセス.すると,828esのFirmwareが古いと言われる.Thunderboltで繋いでいるから更新できるかな,と試したら....どうも,上手く行かないっぽい.仕方ないなぁ,と,試しに,10base-Tのケーブルで,伊丹スタヂオのEthernet HUBと929esを繋ぐと....今度はなんとかFirmware更新ができた.やれやれ.あとは,Safariで,ミキサーボードを出して,Audio I/Oとして色々と設定.なるほど,こんな感じなのか,みたいな.ちょっと長い10base-Tケーブルを探すのに,かなり家探ししてしまった.
あとは,色々と828esの設定をやっておく.まだ,細かい設定は煮詰めていないけど,全体には良い感じだと思う.DSPを載せてて,input chに対してEQやコンプレッサ,LFP等を挿すことは828es単体で賄えるのは助かる.願わくば,各ch inputには,コンプレッサじゃなくてリミッタを挿したいところではあるんだが.下手に設定するとやっぱり音が潰れる,のよね.言い換えれば,それだけコンプレッサが効いている,っつーことなんだとは思う.音はまぁ,素直なんだと思う.ミキサとしてのレベル調整とかは,使っていく中で少しずつ設定を煮詰めて行く,しかないかな.今のところ,MOTU 828 mk3との併用も問題はないみたい.
長期的には,伊丹スタヂオからはFireWireは外す方向で考えたいとは思う.MOTU 828 mk3は,もう少ししたらリタイアして,代わりにMOTU 8A+Micro Expressに置き換えたいな.MOTU 8Aは,828esからAVBで繋いで,拡張Audio I/Fとして使えるようにする.その時になったら,MOTU 828mk3は横浜スタヂオに持っていく予定.あと4年もしたら,僕も会社をリタイアになるので,そうしたらこのAudio I/Oのセットはそのまま,横浜スタヂオに集約することになると思う.横浜スタヂオに統合したら,Universal Audio Apollo FWも2台になるし,そろそろ,クロックジェネレータとかも入れることになるのかな,等と無双している.ただ,機材はできるだけコンパクトにして行く方向で考えたいものでもあるし.中々,この辺りの判断が難しいわね.
【後日談】
828esを入れるのと同時に,E-MuのProteus 2000もVintage Proに置き換えておいた.もちろん,サウンドROMは,Proteus 2000のcomposer ROMをVintage Keysに入れ買えて.無事に立ち上がって,個人的にはこれも嬉しい話で.あと,MOTU 828 mkIIは,残念ながら修理は出来ないと言われたそうで.楽器屋の世話になっているお兄ちゃんにただで譲った....ま,使えないと思うんだけどな.産廃にしかならないんじゃね,と思うんだけど.ま,いっか.


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