2014/02/10

Universal AudioのApollo /w Thunderbolt I/Oカードをインストールする

と,言うワケで,この週末,雪で世間が足止めを食らっていることもあり,それならと伊丹すたぢおのRackにUAのApolloを組み込んで,自分の環境で色々試してみた結果判ったことを書いて置く.
まず,Thunderbolt経由でApolloを繋いで,そこからカスケードでFirewireでMOTUのAudio I/Fをぶら下げることは問題無く出来た.実際,Universal Audioのここを見ると,ApolloのThunderbolt I/OポートはMac本体のThunderbolt I/Oと同様に見えるよ,ここからFirewireのアダプタをぶら下げても使えるよ,と書いている.ここまでは問題は何もなかった.実際,ApolloからFireWireでぶら下げたMOTU 828 mk3,正しく認識され,コントロールもできることも確認.ここまでは問題無し.
では,これでApolloをメインのAD/DAとして使えるか,と言うと,そこにはいくつか問題があった.まとめると以下のような点が問題になった.
  • まず,MOTUのAudio I/Oをカスケード接続する場合は,FireWireケーブルだけで2つのAudio I/Oをsync出来てたんだが,UA ApolloとMOTU 828の間ではこれは出来なかった.
  • MOTUの828シリーズなら,Digital Performerから8chのパラレルアウトを出せるんだが,UA Apolloではこれが出来ない.
なお,MacはiMac.OSは,まだPowerPCコンパチビリティを必要としている都合もあり,Mac OSX 10.6.8 Snow Leopard.したがって,UAのドライバはこちらのページを参考に,ver.7.3.0を利用している.最新のMerveric上で,UAのドライバをver.7.4.2で動かすとどうなるのかは,僕も解っていない.
前者の問題に関しては,UA ApolloをマスタにしてWord Clockを発行させ,これにMOTU 828 mk3をSlaveさせることで解決.するんだが,BNC端子の同期ケーブルなんて売って無いよぉ.ヨドバシ梅田に行って聞いてみたところ,高級オーディオコーナの店員は「うーん,そんなもん扱っていません,日本橋にでも行ってもらわないと」と言うつまらん答え.一方,同じ店舗でも,オーディオケーブルのコーナで聞いてみたところ,BNCとRCA pinの変換コネクタあるよ,と言うことで,この変換コネクタとS/PDIF用のピンケーブルを使うことで何とか解決.やってみたら,ノイズも無くAD/DAが正しく動作するようになった.
さて,問題は,後者だ.現状,伊丹すたぢおのAudioの構成は,左のような構成になっている.8パラアウトした音をCR1604 VLZ Pro上でまとめ,Master Mixを作って,これをMaster Busからinsert cableで抜いてきて録音,という構成になってる.まぁ,以前いくつかのoutboard類をMixerにぶら下げて使っていた時代の名残り,ではあるんだが....なんせ,このような使い方に応えて貰わんと作業フロー上も影響が大きい.ところが,UA Apolloからは何故かこのような使い方が出来ない.MOTU DP7内から,というか,OSのレベルからこう見えないのだ.どうも,Apolloは,OSに対して自分を独立したMixerとして見せているようで,Digital Performer内から8パラアウトを取る方法がうまく見つけられなかった.
実際,Audio and MIDI setupを見ると,OS側から各アウトchの独立設定が出来ないようになっている.MOTU 828 mk3だと,これが独立したAudio Outとして扱えるようなんで,多分,これが原因なんだろうと思う.いやApolloも内部でAUXバスを2本用意しているので,これを使って,ということかもしれないんだが....どうも,そこまで考えるのも面倒臭いし.結局,メインのAudio I/OはMOTU 828 mk3のままにして,MIDI音源を束ねるSub MixerとしてApolloのMixerを使うことにした.
ちなみに,ApolloのAnalog側の音だが,個人的には,MOTU 828 mk 3の音の方が好き.Apolloを通した音は今ひとつ「すっきりした感じ」を感じなかった.今回の実験中に一度,ギターの音をCR1604から上げて通して見たんだけど,音としては丸くてモワッとした感じを感じた.MOTU 828 mk3の方が,音に芯がある感じがする.さらに言うと,結局バスに挿すLimiterは,MOTU 828 mk3の内蔵Limiterをマスタバスにインサートするところでかけることにした.
やれやれ,これでやっと何とか使える環境にはなったことになる.結果的にはApolloは,Thunderbolt-Firewireの変換コネクタ兼簡単な8ch Mixer兼Vintage系仮想アウトボードと言う扱いになるかな.取り敢えず,運用できる環境にはなったと思う.なんか,じたばたした割に進捗度の低い週末だったような気もする.

2014/02/06

Universal AudioのApolloを試すことにする

そもそもの発端は,伊丹すたぢおのMaster Bus Compressorをどうしようか,という話だったんだが.結局,紆余曲折の末,UAのApolloを試すことにした.ちょうど,14年1月から3月末まで,Apollo/Apollo16を買うとThunderbolt I/Fカードを無償で提供してくれる,というキャンペーンがあったので,消費税が上がる前に手に入れてしまおうと思っていたのだ.既に横浜すたぢおにはUAD-2 Sateliteも入れていて,これ用に購入してあったplug-inもそのまま使える,と言うのも,この判断を後押ししている.
直接のきっかけは,1/13頃に修理に出したKORGのMicro Keys-61.このKORGのMicro Keys-61は,どういうワケか非常に故障が多い.既に横浜のMicro Keys-61も一回修理していて,今回は伊丹用の奴が死んだ.現象としては,USBバスでの通電が切れて動かなくなる,というもので,前回も基板交換されているんで,今回も多分同様のはず.で,この修理が上がったよと言う連絡を貰っていたんだが,こちらの都合で中々取りにいけない.で,やっとpick-upに行けたのが,1/29のこと.
折角来たので,UAのApolloがいくらになるかを聞いてみたところ,中々魅力的な金額を出してくる.1月中に入金があれば,という条件だったんだが("え,そんなに1月苦しかったの?"と聞いてみたら,"はい,とっても..."という話だった.楽器屋さん,相変わらず大変そうだ....),大手の楽器販売点よりもかなり頑張ってくれた値段を出して来た.くらっと来てしまったのだ.しかし,最後に確認の意味で,MOTU 828 mkII/mk3と併用できるか聞いてみたところ,それは判らん,と.で,その場でUAの代理店になっているHook Upに聞いてくれたのだった.
Hook-Upのテクニックのお兄ちゃんが対応してくれたんだが,どうもこちらの言いたいことが伝わらん....正直言うと苦戦した.こちらは,ApolloのThunderbolt I/Fカードを使うと,本体のFireWireポートもそのまま使えて,Thunderbolt→FireWireのNubとなるらしいことは知っていたのだ.ただ,Digital I/Oを複数使う時は,これらのI/O機器のA/D,D/Aコンバータを同期させるためなのかな,同期信号を共有しなくちゃいけなくて,その辺りがどうなっているのかを知りたかったんだが....ね.話がなぜか,Digital I/OとCPUの間のデータ転送の方へ流れていく.曰く

  • ThunderboltでI/Oを取っても,Apolloとその先にぶら下がるDigital I/Oとの間のデータ転送速度は800MbpsのFirewireのバンド幅まで.そこに他のDigital I/Oをぶら下げても,このFirewireのバンド幅を食い合うだけ.
  • 他社のFirewire接続のDigital I/OとApolloをカスケード接続した時の動作は保証していない.
というのだ.多分,相手も,どうも話がすれ違っていることは気がついたんだろう,テスト用に1台貸してあげよう,と言ってはくれた.さて,テスト用に1台借りたとしても,こっちも身動き,そうそう簡単に取れるワケじゃ無い.Rackから機材を抜いて,入れ替えたりするのも大変だし,いざとなると同期用のBNCコネクタのケーブルも準備しないといけないし.....参ったなぁ....ということで,その週末(2/1)に,そこの楽器屋の店先で検証作業をさせて貰う段取りにしてその日は帰ったのだった.
で,2/1は朝からその楽器屋の店先に赴いて,懸賞作業.もう1台,その店の店頭に展示してあるApolloをサブ機にして,2つのApolloをカスケード接続してそんなデータ転送の帯域が絞られるのかを見てみることにした.....んだが.結論から言うと,この検証作業,時間ばっかり食って,しかも日頃使っているDigital Performerが無い環境だったこともあり,全然意味を持たなかった.お店のMacを使わせて貰って試したんだが,やっぱりDigital I/Oのつなぎ変えなんて面倒臭くて仕方無い.しかも,システムをバリバリ弄らないと確認出来ない事項だし.これはやっぱり1台,自分で買って試さないとダメだ....ということで,¥258,000也でApolloを1台発注.もちろん,キャンペーン期間中につき,Tjunderbolt I/Fカード付き.
その後,2/3にはこの楽器屋の懇意にしている兄ちゃんから,Hookupの人から聞いた話として情報を貰ったのが,ドライバがコンフリクトしている,というか,うまく同期出来ないことがあるらしい.ま,ギャンブルはギャンブルだね.こちらとしては,iMacの少ないI/Oの中で遊んでいるThunderboltのポートを有効活用したい,程度の感覚なんで,ま,ダメならダメで.それでもEffectorとしての役割は持っているワケだしね.その後,2/4には入着の連絡.
たまたま,昨日,2/5の夜に時間がとれたので,早速この子をpick-upして帰ってきたのだった.さて,いつRackに組み込もうかしらん....ふぅ.