2021/04/04

NikonのAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRを手に入れた

もう半年前になるのか,勢いでAF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 ED VRを買ってみた.もちろん,中古である.

このレンズ,Webでレビューを見ると,撮れる絵の割には値段が安い(新品で¥150K程度)とちょっと評判で.ちょっとおもしろそうだなと思ったのが原因.既に300mmまでのzoomレンズはあるワケで,cropで撮影すれば,450mm程度の焦点距離までは対応できる,のだが,やっぱりもうちょっと距離を稼ぎたいな,みたいな?しかも,Webのレビューを見ると,結構,手持ちで撮っている人も多いみたいだし.ちょっと試しても良いんじゃない?どうせ,試しだし,と思ったら,これは中古で買うしか無いよね,と,2020年の9月頃にWebで中古を探してたのだった.ふと見ると,ここのところ,中古レンズでしばしばお世話になっている秋葉原のニッシンカメラに中古が出ている.どれ,試してみるかと,札束を握って出かけたのが,2020年の10月3日のこと.

当日,お店に行くと,Nikkor 200-500 FA-Sは3本店頭に並んでた.うーん,ちょっと飛行機撮るのに試してみたいんだよね,と言ったら,それなら一番安いので良いんじゃ無いかな,と言われる.内筒がちょっと汚れているから安いけど,撮影には影響無いし,と言われた.まぁ,綺麗なやつとの価格差は¥5K程度.レンズの質が良ければ新品に置き換えることも念頭に,買って見た.お値段は¥113K.フィルタも付いてないし,おまけにフィルタある?と聞いてもそんなサイズが大きい(95mm径)フィルタなんか無いよ,と言われる.

仕方ないので,その足で秋葉原のヨドバシで,95mm径のNikonのフィルタを買った.のだけど,これが¥24Kもする!これと,あとはレンズポーチとしてHAKUBAの奴も買って.なんのかんの,ポイントを突っ込んだら,なんとか両者で現金支払いは¥14Kで抑えたんだけど.C/Pが良いからと手を出したのに,結果的には結構散財した気がする.レンズ1本に¥127Kかけていることになるじゃ無いか.ちょっと想定以上の出費だった.

家に戻って,早速,うちのNikon Dfにレンズを付けて塩梅を見た,んだが,こんな感じ.いや,デカすぎでしょう!大体,レンズに三脚座が付くレンズを買ったのは初めてだったんだが,三脚座で自立するんだ,みたいな感動を覚える.なんて迫力のある絵柄でしょう!

そんなこんなで,買って見たんだが,これを使った作例を作ろうとして,そこで見事にハマった.

まずこのレンズ,無茶苦茶重いのだ.レンズだけで2.09Kgある.三脚とか一脚が無いと,どうしてもブレる重さである.そもそも,僕の手元には28-300mmもあるので,このレンズを使う領域はその外側だ.その焦点距離できれいな写真を撮ろうとすると,このレンズの場合,望遠側をひたすら使うことになる.ここで手ブレを発生させると,そりゃ,悲惨な絵しか撮れない,ということになる.手持ちで使える,って....正直,かなり腕力というか,体幹を鍛えないと駄目だわ.

そして,バカでかいので,取り回しも悪い.そりゃ,こんなレンズ持って歩けば,目立つんだけど.この長さ,太さのレンズは,今の僕の手持ちのお散歩用のカメラバッグには中々収まらない.三脚座を外して,やっとなんとかなる感じ.三脚座の外し方を会得するのに,随分と時間がかかってしまった.以下では,少しだけ撮ってみた作例を付けて見る.

最初は,このサイズで撮れるよという絵.まず,200mmでこの画角.でも,この画角なら,僕の28mm-300mmで足りてしまうんだけど.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@200mm) f/11, 1/500

なので,頻繁に使うであろう500mmになると,こうなる.まぁ,期待通りと言えば期待通りに被写体が寄ってくる.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/11, 1/500

さらに,crop撮影をすると,ここまで拡大しちゃう.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm, cropped) f/11, 1/500

うーん,タワーマンションの各家庭の窓にかかるカーテンの状況まで良く見えるぞ,と.ここまで来ると,別な意味で"やばいレンズ"では無いかい?紹介が遅れた一因には,こんな感じで作例を掲載しずらかったのもある.まぁ,f/5.6のレンズなんだけど,逆光だからなのか,やや色合いは暗い感じが.FXサイズで撮影するなら,ここまで酷く拡大されることは無いので,とっとと使えば良いんだけど.でも,前述のように重いから,ついつい持出して歩く気分にならない,のよ.このレンズを抱えて長距離を歩く気にならない.

そうは言っても,少し,あっちこっち連れ出して使ってみている.例えば,大阪のホームから撮った,入線してくる神戸線新快速.多分,シャッター押す時にそれなりにブレている.動態の撮影には,置きピンをするなりした方が良い,くらいにちょっとAFの合焦には時間がかかる感じがする.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/9, 1/320

柏尾川のアオサギ.十分な距離を取りながら,野鳥をこのように撮影するには良いレンズなのかもしれない.まぁ,このアオサギ,動いていなかったしね.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/6.3, 1/100

あと,若干,オートフォーカスのピンが甘い気もする点はちょっと気になる.このレンズはとても大きくて目立つので,これを撮っている時,通りかかった女の子から「プロの写真家ですか?」と聞かれた.いや,練習中のアマチュアだよと答えたけど.やっぱり怪しく思われるよね.うん.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/10, 1/400

望遠レンズが作る絵面の圧縮効果はこんな感じで,かなり強烈に効いていると思う.こちらも戸塚駅のそばの柏尾川の河岸.戸塚駅から若干西側に向かって,桜並木となっていて,桜の季節は大変綺麗なのだ.ただ,このコロナ禍の中,人出もそれなりにあって,いかがなものかと思わないでもない.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/10, 1/400

いずれにせよ,このレンズは,サイズと重さの観点で取り回しが難しいレンズだな,と言うのが,現時点での僕の評価.なお,今回紹介した作例は,いずれもDfを手持ちで撮影,手ブレ防止のVRはONにしている,んだけどな.多分,拡大すると「手ブレ」が目立つと思う.

そんな訳で,AF-S Nikkor 200-500mm/f5.6 VR,お散歩レンズとして持ち歩くには,ちょっと無理がある重さ,サイズだった.それに,お散歩で気軽にスナップを撮るという観点からも,撮影対象に細心の注意が必要なレンズだと思う.それに,超望遠レンズというのは,都市部でのスナップに使おうとすると,安易にWebに上げられない絵が撮れてしまう可能性もある.だから,撮影時の構図にもかなり神経を使う.市街地では,意図せずに絵に入り込む「やばいモノ」とかも多いし.そうは言っても,超望遠ズームレンズとして,このレンズじゃないと撮れない絵面もあるのは事実.手ブレ等を考えると,ぜひ一脚程度は持って歩きたい,ところだが,そうなると今度は手軽にお散歩に連れ出せないよな(荷物増やしたくないよな)と,ここで葛藤が始まる.そんな感じで,非常に使い所に悩むレンズだな,と言うのが,半年ほど僕が試した率直な感想である.まぁ,そうは言っても,このレンズならではの表現もできそうなんで,多分,手放したりはしないだろうなと思うのだけれども.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@220mm) f/11, 1/500

まぁ,花見にここまで色々持ち込むなら,このレンズを持ち歩く程度,それほど苦では無いかもしれないなぁ.

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