2021/04/18

NEUMANN KH80 DSPを試す

 先週の週末,パワードモニタをもうひとつ買おうかと思い,試聴したNEUMANN KH80 DSP.なんか,音の分解能が非常に印象に残ったこともあり,これは"買い"では無いか,と1週間ほど悶々とする.¥77K/本という価格,ちょっと高いんだけど,でもStealy Danとかの音を流した時に各楽器がすごく分離して,音像確認に良さそうな気がしたのだ.

そんな訳で,今朝,起きて「買う」と決めて,梅田の馴染みの楽器屋へ.いや,amazonも漁ったのだが,amazonに同じ値段で出ているものは無い.soundhouse.comでは,ほぼ値段は同じだし.ということは,馴染みの楽器屋,頑張って値段出しているじゃん,と.あぁ,まだ固定資産税の支払いとかあるしなぁ,と思いつつ,こう,湧き上がる物欲に負けた.COVID-19の蔓延が心配だけど,この値段で出るなら,ちょっと買って見るか,みたいな.それに,大阪のCOVID-19の拡大も心配で,今のうちに買いにいかないと,暫く楽器・機材を楽器屋の店頭で直接買う,という機会を暫く持てない気がしたのも事実.

早速,件の楽器屋へ向かう.途中で,現金を調達してからお店へ.いつも懇意にしている店員さんが居てくれて,先週の続きをする.まず,税込みで¥77K/本だよね,と.確認をとった上で,2本現金で買うからもうちょっと勉強しない?と値引き交渉.2本で¥152Kがギリギリ,というので,まぁそこまで楽器屋さんを虐めてもな,と,購入を表明.多分,これでも楽器屋さん的には設けが若干出るはず.手を打った.

さて,横浜でも使うことを想定して,ちょっと長めのバランスケーブルを....と希望するんだが,しかしここで,5mのTSR♂-XLR♂のケーブルなんて2本無かった.残念.仕方無い,帰る途上でヨドバシに立ち寄る.しかし,ここも,5mのオヤイデのケーブルは1本しかなかった.困ったね.5mのバランスケーブルが欲しいんだという話をすると,出てきたのがYAMAHAのマイクケーブル.まぁ,良いか,取り敢えず,これで繋いでみよう.うちに,まだ,TSRーXLRのケーブルがステレオ2本分あるし.取り敢えず買って,まずは音を聞くとかしたいし.ちょっと気になったので,XLR♂ーXLR♂のアダプタも2セット買って置く.

そんなこんなで,伊丹の部屋に戻って,早速セットアップする.iMac 27"の脇に置いて,ちょっと聴き比べもしたいので,今までほぼ使っていなかったBOSEのM2を外す.代わりにNEUMANN KH80を置いて,ケーブルを敷設して,等とやってたら2時間くらいかかってしまった.机の周り,色々と混乱状態に陥ってた.今はメインにしているGENELEC 8010 APMは,NEWMANN KH80の上に載せて設置.正しいオーディオマニアには絶対に怒られる配置だな,と思いつつ.KH80の方は奥行きもそれなりにあるんで,今後,何かスピーカスタンドを置かないと,机の手前が狭くなるし.

超特急でセットアップして,Mackieの1604 VLZからradikoの音を流して,早速KH80を鳴らしてみる.比較すると,8010と比較して,ボトム(低音域)が大きく出る.どこかのホームページに書いてあったけど,KH80は400Hzあたりがやや膨らむ傾向らしい.KH80の背面のスイッチを弄って,「大きい机」の設定にしてみる.少しだけ,低音域が抑えられた,かな?もうちょっと,エイジングが進んでから,設置方法を含めて見直すか.

店頭で試聴した時にちょっと感動した"音源の分離感"だが,radikoの音を流しているとちょっと弱い印象.まぁ,楽曲のマスタトラックの作り方にも依存するので,簡単に比較しちゃいけないんだけど.店頭で,Donald Fagenの音を流したら,凄い分離感で感動したんだけどな.さすがに,そのレベルのミキシングは,一般の楽曲では実施されていないのかしらん?あるいは,低音域が膨らむような設置方法だから,音源の分離感が曖昧になってしまうのか.....中々,スピーカは難しいね.設定が安定したら,どっちか横浜に持っていこうと思っていた,んだが,これは....今の状態だと,BOSEのM2を持っていくのが楽かもしれないな....うーむ.

興味深いのは,KH80の上に置いたGENELEC 8010.意外とこれが良い音がする.スピーカの位置がちょうど耳の位置になったのが原因かもしれないけど.8010は,サイズは小さいし,ボトムは出にくいスピーカではあるんだけど,やっぱり出音のバランス良いんだよな.デスクトップに置くのにも良い塩梅のサイズだし.これは中々手放せないモニタスピーカだなぁ,と再評価してしまった.

今のところ,NEUMANN KH80,良いモニタだとは思っている.決して,ヒアリング用ではなく,やっぱりモニタなんだけど,音に変な色付けをしない傾向にはあると思う.ただ,ボトムの処理は悩ましいなぁと思っている.あと,机の上で鳴らして,床で作業していると....意外とキックの音とか低域の音がくっきり聞こえて,ちょっとどきっとする.安普請の集合住宅で使って良いのか,音が回っていやしないか,とちょっと神経は使うかな,と言うのが,買った直後の僕の評価だったりする.

2021/04/11

Proteus Orchestraを見つけた!

ここのところ,横浜スタヂオのモニタ環境に不満を持つようになった.本質的な問題は,もう買ってから20年くらいになるDENONのプリメインアンプが,ボリュームがおかしいとか,セレクタがおかしくなった,というところから始まっているんだけど.ここのところ,オーディオメーカも軒並み経営が怪しいくなり,リペアショップも減っている現実もある.何より20年も前のプリメインアンプなんて,リペア部品も無くなってきているだろう.そう考えると,これはもうモニタ用にアクティブスピーカを導入した方が良いんじゃ無いかと思うようになった.そもそも,テープデッキなんてもう使わない時代だし,Mackie 1604卓でソースの切り替えもできるし.でも,パワードモニタを入れるにしても,やっぱり実機は試聴しておきたい.なにせ,以前のJBL Control 2は店頭で試聴したけど酷い音だったものな.

そんなこんなで,コロナ禍で大騒ぎな中,久しぶりに茶屋町LOFTの島村楽器にパワードモニタがいっぱい置いてあるし,ちょっと試聴させてもらおう,と,昨日,伊丹に滞在する週末に梅田に出かけてみた.うーん,それにしても,これだけコロナ禍で新規感染者が増えているというのに,梅田はそれなりの人出で,なんだかなと思わないでは無いんだが.

さて,茶屋町LOFTに行く前に,近所のイシバシ楽器にちょっと立ち寄って見る.中古の棚を覗いて見ると,あれ,Proteus Orchestraが置いてある!もちろん中古で,¥23Kの値札.うーん,こいつのROMがあったらほしいなと思っていたのだ.なんてこったい.店員に聞くと,完動だよと言う.どうせなので,と札束を見せて....って,値段が値段なのでとても札束にならなかったんだけど.値引き交渉をして,少し勉強して貰って,¥22Kまで落とすというので,思わず買ってしまった.


まだ,ROMを抜いたり,Vintage Proにインストールしたりはしていないんだけど,まぁ,取り敢えず買っておく,というスタンス.中古,というかVintageな音源って,どうしてもそうなるよね.本当は,これに,Proteus 2000対応のWorld ROMとか,Mo'Phatとか,あとB-3もほしいんんだけど.中々,買うタイミングを逃したり,モノが出てこなかったりして,まだ手が出ていない状況.まぁ,少しずつ揃えるし.あとはミキサーの入力chとのバランスもあるしね.

さて,その後,パワードモニタを茶屋町LOFT島村に聞きに行ったけど.今だと,どうやら,NEUMANNのKH80 DSPが良いらしい.たしかに,iPhoneから音出しして聞いたんだが,笑うくらいに音がしっかり分離して聞こえる.サイズもそれほど大きいワケじゃ無い.あ,これ良いかもしれないなぁ,と思わせるものがある.モニタスピーカは,変な色付けをしないのが理想,その上でmixされた音が個別に分離して聞こえる分解能というか,そういうのも必要.その点で,NEUMANNのKH80,確かに良い.笑っちゃうくらい良い.なんだ,この音の分離の良さは!と感動して笑いだしちゃったもの.

もちろん,お値段もそれなりにする.島村楽器は中々値引きが渋い.今,サウンドハウス見たら,大体,¥70K/本が底値,かな.島村じゃそこまでの値引きはしてくれなかったのが残念.うーん,どうしようかなぁ.GENELECの8010も良いんだけど,横浜,同じ音にするのもなぁ.2本買わないといけないし.こっちは,激しく悩み中だったりする.

2021/04/04

NikonのAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRを手に入れた

もう半年前になるのか,勢いでAF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 ED VRを買ってみた.もちろん,中古である.

このレンズ,Webでレビューを見ると,撮れる絵の割には値段が安い(新品で¥150K程度)とちょっと評判で.ちょっとおもしろそうだなと思ったのが原因.既に300mmまでのzoomレンズはあるワケで,cropで撮影すれば,450mm程度の焦点距離までは対応できる,のだが,やっぱりもうちょっと距離を稼ぎたいな,みたいな?しかも,Webのレビューを見ると,結構,手持ちで撮っている人も多いみたいだし.ちょっと試しても良いんじゃない?どうせ,試しだし,と思ったら,これは中古で買うしか無いよね,と,2020年の9月頃にWebで中古を探してたのだった.ふと見ると,ここのところ,中古レンズでしばしばお世話になっている秋葉原のニッシンカメラに中古が出ている.どれ,試してみるかと,札束を握って出かけたのが,2020年の10月3日のこと.

当日,お店に行くと,Nikkor 200-500 FA-Sは3本店頭に並んでた.うーん,ちょっと飛行機撮るのに試してみたいんだよね,と言ったら,それなら一番安いので良いんじゃ無いかな,と言われる.内筒がちょっと汚れているから安いけど,撮影には影響無いし,と言われた.まぁ,綺麗なやつとの価格差は¥5K程度.レンズの質が良ければ新品に置き換えることも念頭に,買って見た.お値段は¥113K.フィルタも付いてないし,おまけにフィルタある?と聞いてもそんなサイズが大きい(95mm径)フィルタなんか無いよ,と言われる.

仕方ないので,その足で秋葉原のヨドバシで,95mm径のNikonのフィルタを買った.のだけど,これが¥24Kもする!これと,あとはレンズポーチとしてHAKUBAの奴も買って.なんのかんの,ポイントを突っ込んだら,なんとか両者で現金支払いは¥14Kで抑えたんだけど.C/Pが良いからと手を出したのに,結果的には結構散財した気がする.レンズ1本に¥127Kかけていることになるじゃ無いか.ちょっと想定以上の出費だった.

家に戻って,早速,うちのNikon Dfにレンズを付けて塩梅を見た,んだが,こんな感じ.いや,デカすぎでしょう!大体,レンズに三脚座が付くレンズを買ったのは初めてだったんだが,三脚座で自立するんだ,みたいな感動を覚える.なんて迫力のある絵柄でしょう!

そんなこんなで,買って見たんだが,これを使った作例を作ろうとして,そこで見事にハマった.

まずこのレンズ,無茶苦茶重いのだ.レンズだけで2.09Kgある.三脚とか一脚が無いと,どうしてもブレる重さである.そもそも,僕の手元には28-300mmもあるので,このレンズを使う領域はその外側だ.その焦点距離できれいな写真を撮ろうとすると,このレンズの場合,望遠側をひたすら使うことになる.ここで手ブレを発生させると,そりゃ,悲惨な絵しか撮れない,ということになる.手持ちで使える,って....正直,かなり腕力というか,体幹を鍛えないと駄目だわ.

そして,バカでかいので,取り回しも悪い.そりゃ,こんなレンズ持って歩けば,目立つんだけど.この長さ,太さのレンズは,今の僕の手持ちのお散歩用のカメラバッグには中々収まらない.三脚座を外して,やっとなんとかなる感じ.三脚座の外し方を会得するのに,随分と時間がかかってしまった.以下では,少しだけ撮ってみた作例を付けて見る.

最初は,このサイズで撮れるよという絵.まず,200mmでこの画角.でも,この画角なら,僕の28mm-300mmで足りてしまうんだけど.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@200mm) f/11, 1/500

なので,頻繁に使うであろう500mmになると,こうなる.まぁ,期待通りと言えば期待通りに被写体が寄ってくる.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/11, 1/500

さらに,crop撮影をすると,ここまで拡大しちゃう.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm, cropped) f/11, 1/500

うーん,タワーマンションの各家庭の窓にかかるカーテンの状況まで良く見えるぞ,と.ここまで来ると,別な意味で"やばいレンズ"では無いかい?紹介が遅れた一因には,こんな感じで作例を掲載しずらかったのもある.まぁ,f/5.6のレンズなんだけど,逆光だからなのか,やや色合いは暗い感じが.FXサイズで撮影するなら,ここまで酷く拡大されることは無いので,とっとと使えば良いんだけど.でも,前述のように重いから,ついつい持出して歩く気分にならない,のよ.このレンズを抱えて長距離を歩く気にならない.

そうは言っても,少し,あっちこっち連れ出して使ってみている.例えば,大阪のホームから撮った,入線してくる神戸線新快速.多分,シャッター押す時にそれなりにブレている.動態の撮影には,置きピンをするなりした方が良い,くらいにちょっとAFの合焦には時間がかかる感じがする.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/9, 1/320

柏尾川のアオサギ.十分な距離を取りながら,野鳥をこのように撮影するには良いレンズなのかもしれない.まぁ,このアオサギ,動いていなかったしね.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/6.3, 1/100

あと,若干,オートフォーカスのピンが甘い気もする点はちょっと気になる.このレンズはとても大きくて目立つので,これを撮っている時,通りかかった女の子から「プロの写真家ですか?」と聞かれた.いや,練習中のアマチュアだよと答えたけど.やっぱり怪しく思われるよね.うん.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/10, 1/400

望遠レンズが作る絵面の圧縮効果はこんな感じで,かなり強烈に効いていると思う.こちらも戸塚駅のそばの柏尾川の河岸.戸塚駅から若干西側に向かって,桜並木となっていて,桜の季節は大変綺麗なのだ.ただ,このコロナ禍の中,人出もそれなりにあって,いかがなものかと思わないでもない.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@500mm) f/10, 1/400

いずれにせよ,このレンズは,サイズと重さの観点で取り回しが難しいレンズだな,と言うのが,現時点での僕の評価.なお,今回紹介した作例は,いずれもDfを手持ちで撮影,手ブレ防止のVRはONにしている,んだけどな.多分,拡大すると「手ブレ」が目立つと思う.

そんな訳で,AF-S Nikkor 200-500mm/f5.6 VR,お散歩レンズとして持ち歩くには,ちょっと無理がある重さ,サイズだった.それに,お散歩で気軽にスナップを撮るという観点からも,撮影対象に細心の注意が必要なレンズだと思う.それに,超望遠レンズというのは,都市部でのスナップに使おうとすると,安易にWebに上げられない絵が撮れてしまう可能性もある.だから,撮影時の構図にもかなり神経を使う.市街地では,意図せずに絵に入り込む「やばいモノ」とかも多いし.そうは言っても,超望遠ズームレンズとして,このレンズじゃないと撮れない絵面もあるのは事実.手ブレ等を考えると,ぜひ一脚程度は持って歩きたい,ところだが,そうなると今度は手軽にお散歩に連れ出せないよな(荷物増やしたくないよな)と,ここで葛藤が始まる.そんな感じで,非常に使い所に悩むレンズだな,と言うのが,半年ほど僕が試した率直な感想である.まぁ,そうは言っても,このレンズならではの表現もできそうなんで,多分,手放したりはしないだろうなと思うのだけれども.

Nikon Df, AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6 (@220mm) f/11, 1/500

まぁ,花見にここまで色々持ち込むなら,このレンズを持ち歩く程度,それほど苦では無いかもしれないなぁ.