2023/12/04

Arturia Audio Fuse 16Rigを試したけど,惨敗中

ここのところ,都内実家出張所に,コンパクトにDAW環境を用意しようと検討をしている.広くはないマンションの一室に,親の介護をしつつ,少しでも楽器を揃えて宅録作業が出来ないか,という画策をしているのだ.

そんな中,ArturiaからAudio Fuse 16Rigという19" Rack 1Uサイズの32 input, 28 outputのAudio I/Oが発売されるという情報を得た.これ,最初に見たのはYouTubeのReview Videoだった.へぇ,そんなのが出るんだ,ということで,ちょっとArturiaのサイトを漁って見た.

  • Analog in 16ch, Analog out 8chという豊富なAnalog I/O
  • ADAT in 16ch, ADAT out 16chという十分なDigital I/O
  • USB Hubの機能も持っていて,さらにDin MIDI portが2つ出せる
  • USB-Cでホストと繋ぐ構成

これは,伊丹スタヂオで展開していた26UのRackをコンパクト化するのに良いんじゃ無いか?と思い立った.

今,都内実家出張所ではSonnet TechのEcho 20 Thunderbolt 4 Dockを入れていて,MacBook Pro 14"からはThunderbolt 4ケーブル一本で繋いでいる.これはUSB-Cポートを4つ,USB-Aポートを4つ,Thunderbolt 4を2系統出せる.Thunderbolt 4の1本は外部27"モニタ用に使っていることもあり(Echo 20からはMonitorにUSB-Cでは繋げないという仕様らしい),Thunderbolt 4でDTMの機器に使えるのは1本だけ,これはUniversal AudioのApolloとMOTU 828esをシリーズに繋いで使うつもりだ.この状況だと,USB-C portを使える,I/Oの豊富なAudio I/Fは大変ありがたい.

MIDI音源は伊丹Studioから持ってきたIntegra-7, Motif Rack XS,Vintage Pro,Ensoniq MQ-Rackを繋げれば嬉しい.すると,Audio Fuse 16RigをHubにして,これら一式を纏められそうだ.キーボードはすでにKorgのMicrokeys Air 61を用意しているし.録った音へのEffect用outboardは,先日中古で手に入れたUAのApollo 8を使えば,Guitar/Bassのampも最低限揃えられそうだ.それに伊丹で使っていたHELIX Rackも1台遊んでる.ちょうど,Apollo 8用に10Uの据置き19" Rackも買ってたし,なんかこれでうまくまとまるんじゃね?

そんな訳で,Audio Fuse 16Rigを都内実家出張所のmain mixerとしてシステムを組んで見よう,という気分になったのが10/25のこと.その後,国内の楽器屋さんのサイトを漁って見たら,10/28に販売開始という告知も出てた.

ちょうど,Apollo 8を19" Rackケースに収めるためのRack mount用ネジを調達しようとして,駆け回っていた時期だったのだが(これが,最近,大手楽器販売店では扱いが無くなってて往生していて...),その際,神南のRock oNに立ち寄って,Audio Fuse 16Rigをどこまで値引きできるかも聞いてみた.Digimartに出ていた最安値が¥206,250程度,これを端数切捨て迄はしてくれる,とのこと.どうも,メーカ希望小売価格は¥275,000くらいらしいので,ここまで下げてくれれば納得感もあるな.そんな訳で,オーダを淹れたのが11/01のこと.Rock oNの受付の兄ちゃんは,その場でKIDに電話して国内在庫を確認してくれて,配送日程も調整してくれたし,とても助かった.こちらの都合も色々あったので,結局,都内実家出張所にAudio Fuse 16Rigが到着したのは11/07のこと.まぁ,発注から1週間で届いたし,良い方だろう.

さて,ここまではとても良いUser Experienceだったんだが,ここから色々と悩ましい状況になってくる.概ね2〜3個ほど,うちのDTM環境に組み込んで気がついたことがある.

  • セットアップの問題

19" Rack Mountの耳は,desktopで使うことも想定して,別パーツとして梱包されている.本体に植えられている六角ネジを,付属のトルクスで外して,耳を付けて締め直すんだが,この六角トルクスネジがとても小さい.床に落としたらどこかにお隠れあそばしそうで,怖い.マニュアルもこの辺りの記述が意外と不親切だった.

また,ソフトウェアのダウンロードも悩ましい.どうも,まずSoftware Contorl CenterというSWをダウンロードしろ,と言われるので,製品のレジストレーションをした後で,このSoftware Contorl Centerをダウンロード,インストールする.さて...ダウンロードされたソフトを見ると,AUのplug-inとかはダウンロードできるんだが,Audio Fuse 16 Rig本体の設定用ソフトウェアが見当たらない. 

うーむ,と悩んでマニュアルを見直すと,どうやら別にAudio Fuse Control Centerというアプリをダウンロードするらしい.Google ChromeでArturiaのサイトにアクセスしてダウンロードしようとすると,今度は何故かダウンロードが不可となる.何度かやってもダメだったので,これはArturiaのサポートに連絡.その後もグダグダやってたら,safariでアクセスしたらダウンロードが出来た.Arturiaのサポートによると,どうやらArturiaのダウンロードサイトはhttpsで設定していないらしい.このため,Google Chromeでアクセスするとファイルがダウンロード出来ないとのこと.うーむ,まぁ,Safariで落とせたから良いけど,運用上,これは良いWebサイトの状態なんだろうかという懸念は残る.

  • Audio Fuse 16Rigを外部同期で運用しようとするとHangする

やっと,色々と設定ができるようになったので,ざっくりと,Audio Fuse 16Rigを設定してみた.Mixerとしては,簡単に言えば16ch Analog+16ch ADAT,4 Aux busを持ったMixerという感じになる.うちのDTM環境では,MIDI音源を4つ(Motif Rack XS,Integra-7,Vintage Pro,MR-Rack), DrumとBassの音と上モノを分離してEffectをかけようとすると,Aux BusをStereo 2 busの出力として扱うのが良い気がする.

そうすると, 音録りにはやっぱり,別のAudio I/Oを準備した方が良さそうだ.幸い,伊丹に導入したMOTU 828esをこちらに持ってくればこれは可能だ.Apollo 8はGuitar/Bass系の音を纏め(HELIXもApollo 8でまとめる)ことにして,こちらもMOTU 828 esにADATで送り込めば貴重なanalog I/Oを使わずに済む.DAW上の音録りは,MOTU 828esで纏めるのが使いやすそうだ.ADATでのデジタル同期を正しく機能させるためには,MOTU 828 esをinternal clockで,Apollo 8とAudio Fuse 16Rigを外部Word Clock同期 48khzで動かすように設定する.このためのワイヤリングを済ませたら,テストを兼ねてradikoの音をAudio Fuse経由でストリーミングデータを受けて,これをADATに流してMOTU 828esに送るようにroutingして暫く音を流してみた.するとどうだろう,Audio Fuse 16Rigからの音の出力がピタっと止まることがあるのだ.ホストのMac上ではradikoを流しているのに,音がピタっととまる.試しに電源を入れ直して設定をし直すと,また暫くは音が流れるのだが,暫くするとまた音が止まる.どうやら,Audio Fuse 16RigがHangしているらしい,とアタリがつく.

連続稼働時間に依存するのか,と思うと,必ずしもそういう訳では無い.ある時は20時間は動いた(けど,24時間は持たない,いつも1500〜1700頃は不安定になる)し,あるときは20〜30分程度でHangする.しかも,rebootするとAudio Fuse 16Rigの外部同期の設定がクリアされる.大抵の場合,一度Hangしたら2回か3回,rebootしなくちゃいけない.外部同期の設定を修正する前にすぐにHang upすることもあり,非常に動作が不安定だ.これは正直参っている.

Artriumのサポートには本件報告して,reboot時に外部同期の設定がクリアされる問題はあちらも認識しているとのこと.ただ,あちらでは8時間連続稼働させてもHangすることは無い,と言われている.他社のAudio I/Oとの同期はまだ試していないらしいし,48khzでの同期も試していないらしいが....どうも,うちの個体だけの問題と言われて往生している.Sleepのせいじゃ無いか,と言われたのもあり,MacBook Pro 14"をrebootしてからストリームデータを流してみるが,やはり暫くするとAudio Fuse 16RigはHang upする.これでは安心して宅録環境のmixerとして使えないなぁ,という状況.¥200Kの出費なのに,とも思うが,これなら伊丹で使っていたMOTU 16A+MOTU Micro Expressのセットと入れ替えるか,現在悩み中.この場合,都内実家出張所の19" Rackが埋まってしまうのと,Thunderbolt 2 busをもう一本確保するためにThunderbolt 4 Hubも準備しないといけないなぁ,と,狭い実家出張所の中で改めてワイヤリングをしなおす作業に躊躇してまだ,手を付けられていない.

 可能性としては,Thunderbolt 4 Dockが悪さをしているかもしれず,ちょっとAudio Fuse 16Rigを直接MacBook Pro 14"にぶら下げたらどうなるかは確認してみようと思い,MacBook Pro 14"の別のThunderbolt 4 portに直接繋いでみたんだが,Hangする状況は変わらない.中途半端に不定期な間隔で,だが確実にHang Upするのだ.Artriumのサポートの方ではHang upは再現しない,お前の個体だけみたいなのでLocalのディストリビュータ(K.I.D.)に見て貰えと言われている状況で正直参っている.色々と結線して試した後でそれ言われてもなぁ....orz....新しいFirmwareも落ちてこないしなぁ.悩ましいところだ.

  •  Audio Fuse 16 rigのUSBポートはMIDIしか流さないの?

YAMAHA Motif-Rack XSとRoland Integra-7は,USB2.0接続でMIDIを送れるのが大変助かるところ.Audio Fuse 16RigがUSB-Aポートを持っていることもあり,ここからUSB Hubを通して分岐しようと当初考えていた.DTM用のRackと,一般のデスク環境とは,USB-C1本で繋ぐ形にすることを想定していたのだ.

ただ,これは実際にはうまく行かなかった. 背面のUSB-AポートにUSB Hubを通してMotif Rack XSとIntegra-7を繋いだんだが,なんか,MacOSのAudio MIDI setup側からはこれらの機材が見えない状況が見えた.まだ十分に確認は取れていないんだが,この辺りはちょっと注意が必要かもしれない.フロント側のUSB-AにはKorg Microkeys AirをUSBで挿していて,これは認識されることを考えると,あるいは可能なのかもしれないが,一度やって駄目だったので,今はリアパネルのUSB portにUSB Hubを噛ませてIntegra-7等をぶら下げる運用は避けている.ただ,そもそもAudio Fuse 16RigがHangするような状況では,rebootの都度USB portが落ちるので,うまく運用できないのも気がついた.そもそも,Audio Fuse 16Rigをrebootすることになるか,予測不可能なのだもの.実際,Audio Fuse 16Rigをrebootするときに,Microkeys Airはresetされている状況だ.

これに関しては,マニュアルもちょっと不親切で(大体,今配布されているAFCCのマニュアルは,Audio Fuse 16Rigに関する記述がまだ無い),現在のマニュアルでは,MacOS 12のAudio MIDI 設定上でどのように設定すれば良いか,正直明記されていない(見つけられていない).Audio MIDI設定の上では,Audio Fuse 16Rigは,MIDIの入力2port・出力4 portを持った機材として見えているのは判っているんだが...,ってそれ,USB-Aの先にHubがぶらさがること考えて無い..んじゃね?取り敢えず,Vintage ProはAudio Fuse 16RigのDIN MIDI 1 port経由で繋いで,MIDI信号がVintege Pro側に流れるのは確認出来たのだけど.

そんな状況で,残念なことに拙宅のDTM環境では,まだ,Audio Fuse 16 Rigはうまく動作していない.もう少し,設定やワイヤリングを色々と見直しているが,これは初期不良と言うことかな?いずれにせよ,一度,LocalディストリビュータのK.I.D.に,機材を送り返して見て貰うのが良いのだろう.ただ,Audio Fuse 16Rigを外す期間のために,今は寝かせているMOTU 16AやMOTU Micro Express,AVB HubやThunderbolt 4 Hubを持ってくる必要はあるし,ワイヤリング全体も見直さないといけないし.机周りのケーブルをすっきり整理してコンパクトなDTM環境を構成したいと考えて導入したんだが,1ヶ月奮闘して,当初の目論見が達成しない感じがする.せめて,Audio Fuse 16Rigの新しいFirmware updateが出て,同期設定が本体に保存されるようにならないか,とも思うんだが.これからこの機材を導入する予定の方がいれば,この辺りの情報が少しでも役に立てば嬉しいなと思って,途中経過だけど上げておく.

最後に,Audio I/Oとして,Audio Fuse 16Rigの出音は素直で良いと思うけど,Ch毎にNoise GateやCompressor等を挿せないのは残念.この点は,MOTU 828 es等のAudio I/Fの方が使い勝手が良いと思う.MOTUのAVB対応のAudio I/Fは,現在,軒並み国内の在庫一掃しているようで(Thunderbolt 2でbus throughできない構成のAudio I/Fなので,大規模システム化が辛い,市場からThunderbolt 2がほぼ払拭している,という状況を考えると,あるいはこの辺りの機種を入れ替えることを考えているのかもしれないなぁ),入手が困難なのが悩ましいところだけど.ちなみに,拙宅で48khz samplingで統一しているのは,AVBの制約によるんだが,個人的にはAVBの規格は手軽で良いと思うのだけどなぁ.

2023/04/02

Ibanez SRF-700を試す

 つい出来心で,また1本,やってしまいました.本当に衝動買い.普段なら買わないと思うんだけど,ほら,一昨日,会社も終わったし.Ibanez SRF-700を1本,買ってみた.梅田のワタナベ楽器大阪店で¥84K.

ことの発端は,大阪梅田LOFTの島村楽器にリペアに出したRoland A-800 Proを引き取るため,4/1にちょっと梅田に出たことだった.今度,昔からの馴染みからJazz Bandのベースをやれと誘われてて,Jamする前にFlatwound弦を張ったフレットレスベースを用意しなくちゃな,と思い始めてたのだ.そんな訳で,島村楽器に行く前にちょっと近傍の楽器屋を覗いたのだ.とりあえず,と,ワタナベ楽器の大阪店に行って,ちょっと店頭に並んでた安物のフレットレスベースをいくつか物色してみた.最初は¥40K程度で安い箱物を弄って見たんだが,どうも弾きづらい.次に出てきたのが,IbanezのSRH505F.piezoだけで,まぁセミアコなんだけど,5弦ベースはどうも勝手が判らん.Low Bの5弦,やっぱり弾きづらい.最後に試したのが,SolidのSRF-700.4弦だし,ネックも細いし,最初からFlat Wound弦だし.piezoとactive pickupが2本という構成.まぁ,悪く無いというか,最初の2本と比較するとやっぱり弾きやすい.これ,以前もどこかの楽器屋で試奏させてもらってて,悪く無いなぁとは思っていたんだけど.今回の個体は,付いてたprice tagはoutlet品で¥89Kとちょっと.ちょっと弄って,これなら悪くは無いかなぁ....と.ただ,この日は,お財布に持ち合わせが無かったし,ちょっと考える,と店をあとにしたのだった.

帰ってからDigimart等を検索すると,どうやら,最近価格改定が行われたらしく,この個体はある意味古い価格で仕入れたヤツらしい.そんな訳で,早くに売っちゃいたいという店側の意向もあったのだろうか,なんか,他の店だと¥115Kとかの中で¥89Kという値段はまぁ,安いやね.1本,持ってても良いかなぁ.Digimart見てても,あまり流通している本数は多くはない模様だし.昨日,会社も定年退職したし,自分へのご褒美にもこれならなる,かな.

そんな訳で,翌日,早速ワタナベ楽器へ現金を持って行ってみた.まだ,この個体は残ってて,それなら良いか,と.で,現金で払うけどギリギリどこまで行く?と聞いたら,¥84Kまで値引きする,というので,それならとフラッと買ってみた.

それにしても,なんで大阪ってこんなにフレットレースベースが流通しているんだろう?以前,Stingrayを買ったのも大阪だし.元々,若者でそんなにフレットレスベースを弾くヤツなんて,そうそういないもんだろ?それなのに,意外と中古も含めて流通している印象がある.なんだかな.

取り敢えず,伊丹スタヂオに持ち帰って,ちょっとHELIXでベース・アンプのモデルで試して見た.まぁ,悪く無いですよ.やっぱりactiveだけど,piezoだけだとちょっと出力が小さいかなぁ.Bartoniのpickup2本が付いてて,こっちの方がちょっとだけ出力は高めな感じ.ネックはやっぱり細い気がする.ネックはMaple+Walnutの5pc Through Neck.長期的に捩れたりしないかはちょっと心配.修正が大変になりそうだからねぇ.まぁ,太い音は出るし,round wound特有のひっかきノイズは出ないし.良いんじゃ無いかなぁ.取り敢えず,jamで使って見て,それからだな.


2023/04/01

会社勤めが終わった

 先日,3月31日に,長年勤めた会社を定年で退職した.大学院修士課程が終わってから34年,まぁ,長かったよね.良かったことも悪かったこともあるんだが,なんとか最後迄走りきった.親の介護問題なども勃発した最後の1年,どうなるかドキドキしていたが,これで当面,生きてくために稼ぐ活動は,一区切りをつけることになる.今後は,しばらく純粋な消費者として,何者にも縛られない活動をしていく予定ではある.まぁ,所属した企業の中で,色々とやり残したことはあるという点では「やりきれなかったな」と思うところもあるんだが,このままずるずる会社に居てもね,という話と,両親がほぼ同時に倒れたのでその面倒を見ないとなというので,一回,ここで積極的にお休みを取ることにする.

企業というのは,どうも,面倒で本質的でない作業も色々とあって,まぁ,CMMIに基づくプロセス改善等の活動もやっていた立場からは一概に否定は出来ないのだけど,でも企業としてのガバナンスが強化される中で,企業体に所属しているのが面倒臭くなったのも事実だ.今後も多分,ソフトウェア工学の面での作業を趣味として続けて行くつもりだけど,一回,社会的にはきれいに抹殺されてみたいなとは思っている.

ただ,企業に所属していない状態になると,年金が得られるまでの期間をどう過ごすか,悩ましいところではある.どうしても現状では月¥200K程度は生活費にかかってしまうし,あるいはこれにケータイや電気代等のインフラサービスの費用や税金も乗ってくる.手持ちの資金が足りなくなったら,なにかバイトするとか考えないといけないかもしれない.個人的には,ここで,自分の趣味全開でいくつかやってみたいことはあるのだけど,どこまで出来るかなぁ,とちょっと心配中.やっぱり,趣味をカバーするように起業して節税するとか,色々考えてみたいところだなぁ.何が出来るか,どうすると良いか,良い指標を持ち合わせていないのが現状だ.

本質的な問題としては,企業体が定年を60歳のままにして,政府の制度的には65歳にならないと年金とかの配布をしない,という現行制度の問題はある.そして,この隙間の5年間の過ごし方の選択は,ひとつは嘱託として給料半減,だけど仕事量は同じで仕事するか,あるいは無職になるかという選択肢程度しかないのが悩ましいところだ.まぁ,今回は親の介護も考えなくちゃいけないのもあり,後者を選択したけれど.そうじゃ無くても,多分後者を選択するのは同じだろうな.

今後が不透明なのは,親の介護に対するイメージが具体化出来てないことが原因だ.どうも,介護の制度が地方自治体単位で細切れになっているらしく,「適切な介護」がどういうものかのイメージを持てないでいる.親からすれば,世間から隔離されちゃう介護施設は,姥捨て山に感じるのだろう.一方で,在宅介護にすると色々とサービスが細分化されていて全体像が見えないのが悩ましい.それはこっち,それはあっち,みたいなのが面倒.しかも,それを家族の介護担当者に委ねられるから,他の選択肢がどういうものなのか判らずに苦労することになる.制度アーキテクチャが悪い,という言い方も出来る.この辺り,いかに政府が考えてないか,あるいは政府が考えさせないようにしているか,ということなんだろう.多分,この国はこれから老人には過ごしづらい国になる気がする.なんだかなぁ.ま,今の時代,世界のどこに行っても,多分,過ごしづらいところが多い気もするけど.....


2022/03/13

EIZO CS2740とCalDigit Element Hubを試す

 2021 MacBook Pro 14"が来てから1ヶ月あまり,クレジットカードの与信枠が復活したところで,ついフラフラっと,EIZO CS2740をamazonでオーダしたのが3/2のこと.3/4の夜2000頃に宅配便で荷物が届いた.伊丹と横浜のDTM環境を1台のMacにする目的で,2021 MacBook Pro 14"を買った迄は良かったものの,14"のモニタはDTMをするには正直狭い.やはり28"モニタ2面の構成がほしいと思って,ついもう1台27"モニタを導入しようと思いたったのだ.ついでに,これを気に,外付けにしているTnunderbolt 3のバス上の機器を,MacBook Pro 14"に差し替えてきちんと動作するかも確認したいし.

購入に際して,最初は,EIZOのCS2731にするかCS2740にするか,ちょっと悩んだのだが,どうせだから解像度が高いCS2740を選ぶことにする.これで,27"のモニタは,EIZOのSX2761,CS2730,CS2740と揃えたことになる.まぁ,いずれも写真を弄ることを想定すれば適切な選択だろう.

さて,まず到着した荷物を解いて,梱包されているものを確認.ケーブルはDisplay PortとUSB-Cケーブルだけだった.HDMIを追加で調達した方が良さそうと判断する.3/5に,梅田のヨドバシに行って,調達することにしよう.今,iMac用に使っているMagic TrackpadとMagic Keyboardはそのまま利用することにする.Bluetoothでの無線接続では無く,USBで繋ぐつもりだけど.ただ,USBで常時接続するために,USB-A-Lightningのケーブルは2本程度必要だな.画面の前にはRolandのA800-Proを置いてあるので,これを避ける形で長めのケーブルを用意しよう.そんなこんなで,到着した翌日,土曜日にケーブル類を梅田のヨドバシに買い出しに行ってみる.なんのかんので,土曜日のお昼過ぎから買い出しにでかけたので,帰ってきたらすっかり夕方だった.

これでようやく2017 iMac 27"を机の上から下ろす作業に着手できる,と作業を始めた.いや,色々とUSBケーブルや電源ケーブルが錯綜してて,結構難儀をしてしまった.ようやくiMac 27"をおろして,代わりにEIZO CS2740を設置.まずは,現状を維持したままで,MacBook Pro 14"が大画面で表示できれば良いや.Thunderbolt busは,MacBook Pro 14"の到着前に,CalDigitのThunderbolt 4 Element Hubを買ってあったので,これも設置.MacBook Pro 14"を持ち歩く前提で,Thunderbolt接続の外付け機材を1本で外せるならこんな楽なことないよね,という判断である.高かったけど,買っておいたのだ.

さて,色々と繋いで見て,とりあえず画面を表示させる.最低限,問題は無いようだ.ただ,どうもMacBook Pro 14"に繋いだThunderbolt 3の外付けHDDが全てはマウントされない,とかThunderbolt 3バスに繋いだMOTUの828esと8Aがどうも認識されていないらしい.うーむ.Thunderbolt 4バスでは帯域が足りないのか?まず,Element HubからEIZO CS2740へ行くUSB-Cを外して,MacBook Pro 14"に直接入れて見る.今度は,外付けHDDはうまく繋がったように見える....が,はやりまだ,MOTIのAudio I/Oが見えない.まいったな.結局,Thunderbolt 3 busの2つはMacBook Pro 14"に直接繋ぐと,おぉ,今度はやっと識別されるようになった.なんだかね.Thunderbolt4のケーブルを用意しないといけない,のかもしれない.

ところで,CS2740にはDisplayPortも入力可能だ.以前,2019 MacBook Pro 13"を購入時に導入したCalDigitのTS3 plus,良く見たらDisplayPortの口からHDMIに変換して出していたんだ,と気がつく.それならば,と,MacBook Pro 13"からの画像出力はHDMIを通さず,直接,CS2740に突っ込んだほうが良かろう.DisplayPort-HDMのアダプタを外して直接,CS2740に入れるようにワイヤリングを変更.

さて,こうなると,机の上に2台のMacBook Proがあることになる.2017 iMac 27"から外したMagic KeyboardとMagic Trackpad,1台をこの2台で使いまわしたいな.ふと,CS2740のマニュアルを見ると,このモニタにはUSB-CとUSB 3.1 Bかな,2つUSBのupstreamのポートがある.これ,しかも表示している入力ポートに併せてどちらのポートを使うか,選択ができるらしい.Magic KeyboardやMagic Trackpad,そして有線Mouse,これを表示画面に併せて切り替えられるってことじゃ無いか!これに気がつくのに1日かかってしまったのだけど.また,モニタの裏の配線をごそごそと見直し.CS2740をUSB busのスイッチャのようにして,表示画面に応じてキーボードがどちらに繋がるか,選択できるようにした.この設定が,意外と快適で.なんだ,こんな使い方できるなら,これで良いじゃ無いか,と.ただ,今,伊丹スタヂオのA-800PRO等,音楽系のUSB入力装置も一緒に切り替えられちゃうのが,ちょっと悩ましいな.音楽系機材はMacBook Pro 14"だけに入れるように,後でもう一回,USBの配線を見直すかもしれない.

そんなこんなで,iMac 27"をMacBook Pro 14"+CS2740に置き換えるのにほぼ2日を要してしまったが,日常の運用に耐えられる状況にはなった.今のところ,MacBook Pro 13"の方はクラムシェルで運用している.MacOS 12は,クラムシェルモードだと,指紋認証では無くPassword認証で入れるようになるらしいので,これも便利.気になると言えば,以前よりも,MacBook Pro 14"の方がファンが回ること,かな.どういう仕組みになっているか謎なんだけど.取り敢えず,なんとなく,用は足りているので,これで宅録環境のMacBook Pro 14"への移行と環境の改善を図るという,CS2740導入の当初の狙いは達成したことになる.画面の色合いも良いし,まぁ,¥200Kもした高いモニタだから何だけど,これは良い(目的を満たす)買い物だった気がしている.

2022/02/16

MacBook Pro 14"が届いた

 順調にいけば,僕も来年度で会社はリタイアする見込み.今後は,ソロプレーヤとして色々と楽しむことにしよう.同時にリタイア前の安定した収入を見込める時期に,今後暫く使うであろう機材を揃えておこう,と思う.この一環として,Apple Scilliconを載せたMacBook Pro 14"を,ボーナスが出た12/10に速攻でオーダした.昨年から本格化したMacのApple Sciliconへの移行も踏まえ,今後暫く使う前提で,BTOで「モリモリ」にする.M1 Max (10core CPU 32core GPU 16 core Neural CPU) / 64GB RAM / 8TB SSDという構成だ.お値段も,従来のMacBook Proの上位機種から比較しても3倍はするような内容だ.

今回のMacBookの更新は,当初の想定よりもかなり早いタイミングではある.前回購入した2019 MacBook Pro 13"だって,まだまだ十分に役に立つ.ただ,今回,それでも敢えて購入したのは,それなりの理由がある.

ひとつは,上にも書いたように,安定した収入のある段階でApple SciliconでDTMがどこまでできるか,そろそろ試してみたい,というもの.もうひとつは,趣味のDTM系も含めて,これだけの能力のあるマシンが持ち運べるようになったら,現状,2拠点バラバラにCPUを用意しているんだが,これを1台に収束させたい,というもの.

前者については,Apple Silicon搭載Macが出た当初,爆速と同時に省電力で,電池は減らない,Fanも回らない,と評判だったのだが,同時にDTM系はまだRosetta 2をインストールしてIntel 系を

ひとつはApple Siliconeがどこまでできるか,そろそろ試したいというもの.Apple Siliconが出た当初,爆速と同時に,省電力で運用していてFanも回らん,と評判だった一方で,まだ当面はRosetta 2を使わないと,既存のソフトウェアがなかなか動作しないと言う状況だった.これがどこまで改善したか,特に趣味のDTM系ソフトウェアがどこまで耐えるのか知りたい,と思ったのだ.MOTUが色々とApple Scilicon対応を済ませたと言っているので,これは試して動作確認をする時期に来たかな,と思ったのだ.今使っているDTM系列は,以下の対応状況だ.

  • MOTU:Audio I/O,MIDI等のドライバはApple Scilicon対応済.Digital Performerも,最新版でやっとApple Sciliconに対応したらしい.
  • Logic Pro:Appleなんだし,これは大丈夫だろう.Logic Proはメインでは使っていないし.
  • Roland:うちにある機材として,D-05,A-800 Pro,Integra-7.ドライバは購入を決めた時点ではまだ,Rosetta前提だったようだが,この2月には問題が無くなったらしい.Integra-7用のUAのEditorがまだ未対応なのがひっかかるが.
  • Yamaha:うちの機材だと,Motif Rack SDが該当する.Rosetta 2で使ってねと書いてある.Vocaloid 5はEditorが
  • Korg:うちの機材だと,Microkeys Airとかが該当するんだが,MacOSの標準のドライバで大丈夫,みたいに書いてあるので,多分問題無い.
  • Universal Audio:うちの機材のコアとして,Apolloを入れている.幸い,Thunderbolt I/Fカードも入れてあるので,接続は大丈夫.ホームページを見ると,色々と面倒らしいが,なんとかRosetta 2で動作するらしい.まぁ,おっつけ対応してくれるんだろう,と期待している.
そんな状況なので,そろそろ,置き換えてもほぼ大丈夫そう,と思う.うちの環境にApple Sciliconを入れて,どこまでできるか,そろそろ試してみたい時期になったと判断したのだ.まだ,Virtual Instruments系は懸案も多いのだけど,逆にRosetta 2でどこまでできるか考えるには良さそうだ.

もうひとつは,上記の確認が終わったら,現状,伊丹と横浜でバラバラになっているCPUを統合したい,というか,持ち歩きで同じものを使いたい,と思ったのだ.伊丹のスタヂオは退職したらおっつけ処分の予定なのだが,きっとある程度のタイムラグは出る.その間も,MacBook Pro1台を持ち歩くだけで,両方の環境に対応できたら,これは嬉しいことだと考えた.本当は11年前に伊丹に異動になったときから,この構成が取れたら嬉しかったんだけどね.やっと,CPUのパワーも追いついてきた気がするので,そろそろ良いかな,と言うことである.

MacBook Proの14"が発表されてから,そんな訳でこれはmust buyだなと思い始めた.Early Adoptorのレビューを見ても,色々と評判は良い.そうは言っても,高額商品なこともあり,12/10のボーナス支給日迄待ってオーダをかけた.この時点で,商品の出荷は1/28〜2/10になると案内が出ていて,実は驚いた.今まで,散々AppleでBTOしたのだが,ここまで待たされる経験はなかったからね.大抵,2週間もあれば手元に商品が届くのが常だったし.商品の発表から発売迄に時間がかかった2011 iMac 27"でも,待たされたのは1ヶ月程度だったと思う.ただ,これもCOVID-19の影響なのかもしれない.仕方無い,まぁ待つしか選択肢は無い.

そうこうするうちに,1/28に突然,クレジットカードの利用通知が来て,これでやっと僕のMacBook Pro 14"が製造ラインに載った,と気づく.翌日には,上海から出荷の連絡が来た.今回はDHLで配送されるらしい.その週末の日曜日には東京に到着していた...迄は良かったんだが.オーダの際に,送付先の住所は伊丹スタヂオにしていたのに,郵便番号だけ横浜にしていた,のがいけなかったみたいだ.荷物はその翌日に横浜に行って,また東京に戻って,その翌日には今度は大阪に行って....とフラフラしはじめる.大阪まで来た,なら明日には届くかなと思い,丁度水曜日で定時退場の日(リモートワークしているけど)だったので,仕事を早めに切り上げて,梅田のヨドバシカメラにMacBook 14"用の液晶プロテクトシートを買い出しに行ったりした....んだが,翌朝見ると,今度は神戸に行っている.行きすぎじゃい!と思わず突っ込みたくなった(まぁ,兵庫県なら神戸に行くか).で,DHLから送付先不明と音を上げた通知が届いた.なんてこったい.DHLのWebサイトが案内されていたので,改めて配送先を,というか郵便番号を修正して設定.ついでに,使いづらいWebサイトだったので,更新できたのかDHLのサポートに電話して確認する等した.なんとか,2/3の木曜日に送付して貰えるようにお願いしておく.2/4は横浜のスタヂオの様子を見に行く予定があるので,荷物が届いてからだと色々初期設定が面倒なのだ.しかし,DHLの配送管理のシステムは一体どうなっているんだろう?これまで伊丹配送で(同じ間違いが残ったままで)3台くらいMacを買ったはずだが,ここまで荷物がウロウロしたのは初めての経験だった.今まではクロネコヤマトが配送してくれたんだが,クロネコヤマトはここまで酷いことなかったんだけど.やれやれ,だね.そんなこんなで,伊丹スタヂオにこの新しいMacBook Proが届いたのは,2/3の14:00頃になってしまった.

取り敢えず,システムをセットアップする.まず,8TBのSSDを2TBのシステム領域,もうひとつ2TBのシステム領域,最後に4TBのユーザ領域に分割しておく.最初の2TBはRosetta無しで動かすことを想定している.2つ目のシステムは,Rossettaありで動かすという算段だ.ユーザ領域は共有にしておくと色々と便利なんだろうと思うので,この構成にしておいた.Note PCで8TBのSSD搭載というのは強力で,多少無駄な使い方をしてもなんとかなるなのが嬉しい.

Volume設定が終わったら,次は,色々と,DTM系のソフトウェアをインストールを進める.取り敢えず,現状ではこんなところ迄はインストール済.

  • Logic ProやGarage Bandはuniversal binary化されている
  • MOTUのDigital Performerはuniversal binary化されている
  • Vocaloid editor ver.5はuniversal binary化されている
  • Rolandのドライバ類(うちの場合は,A-800 Pro,Integra-7,D-05の各ドライバ)はuniversal binary化されている.
  • Native InstrumentsのKontaktはver. 6.7からuniversal binary化された
手持ちのVirtual Instruemntsの類だと,ToontrackのSD2はまだIntel,というか,もうSD3出ているし,無理だろう.Naitive InstrumentsのKomplete 10は,到着時にはまだRosettaが必要なIntel版だったけど,インストール作業して暫くしてからUniversal Binaryのバージョンが入ったみたいだ.音源のダウンロードとインストールにほぼ1日かかってたけど.ついでにKomplete 12も入れて,また1日かけて音源のダウンロードしてた.やれやれ.YamahaのVocaloid 5 Editorはuniversal binaryが出てたのでupdateで対応済.一番悩ましいのはUniversal AudioのApolloで,Apple Scilicon Macで動かすのはちょっと面倒.まず,本体Firmwareのセキュリティレベルを若干下げないといけない.まぁ仕方無い.インストールしておく.ただ,一番悲しいのは,Firewireのサポートは終わり,って宣言されたことかな.UA Apolloは,伊丹も横浜も,Thunderboltでも繋ぎたかったので,FireWireバージョンを買ったけどThunderbolt拡張カードも一緒に入れてある.ここは心配していない.ただ,最初期に導入したUAのSatellite FW接続のヤツが1台あるんだよなぁ.....まぁ,それを除けば,概ねSW的には環境を揃えられたかと思う.

さて,MacBook Pro 14"そのものについては....どうしても,Rosettaを必要とする(動作はするのだけど,多分バージョンが古くて更新されない)ユーティリティがまだ手放せないこともあり,結局,今の次元ではRosettaをインストール済の環境で運用している.

ハードウェア的には,今のところ,不満は無い.何よりも,確かにApple Silicon,全然消費電力も少ないし,優秀なのだ.XRGで見ていても,多分まだうちのMacBook Pro 14",1回もFan回って無い.2019のcore i7搭載のMacBook Pro 13"と比較すると雲泥の差といえるくらいに静か.要するに僕はまだ,このCPUを本格的に使っていないのだ,という言い方もできる.ちょっと驚くくらいに静か.サイズはやや大柄になって,本体の厚みも増えたのはちょっと判断が難しい.キータッチは,2019 MacBook Pro 13"の方に慣れたからなのか,2021 MacBook Pro 14"は中途半端にキーストロークが深く,そのキータッチもちょっとぷにぷに,っとした感触.なんか,最初は嫌だったはずなんだけど,ストロークの浅い,ソリッド感のある2019 MacBook Proはまだ手放せない感じ.まぁ,MS OfficeはMacBook Pro 14"にはまだ入れてない(ライセンス買ってない)ので,暫くはMacBook Pro 13"を使う予定なんだけど.モノ書きには2019" MacBook Proの方が良いかもしれない.

さて,こうなると,早く2017 iMac 27"を机から外して,その代わりに外付けの27"モニタを導入したいなぁ,という気分になる.EIZOの2731かCS2740か,その辺りを入れて見ようか.2台のMacBook Proをぶら下げて,用途に併せて両方をもうちょっと使おうかな,という気分になった.

2021/08/29

iPhone 12 Proを試す

僕は,未だ,iPhone 6sを使っている.電池の減りがやや早くなったことを除けば,特段の不便も感じないし.しかし,昨今,さすがにそろそろ,新しいiOSが対応しなくなりそうな予感を感じている.非接触のNFCも無いから,Apple Payなどを使えないのはちょっと残念だ.そんな状況なので,次にiPhone 6sの電池交換をするなら,新機種に移行するか,とちょっと思っていた.ただ,大抵のことはiPhone 6sで済むのである.何よりクレジットカード,相変わらずセキュリティ的には不安もあるし.そんな状況の中,ずるずると気がついたiPhone 6sでら5年?電池交換もすでに2回実施したし.

ところが在宅勤務になって,MacにいつもiPhoneを挿している状況になったからか,2回目の電池交換も虚しく,電池が長持ちしなくなって来た.原因は判っている.在宅勤務などをしていると,終日,iPhoneを充電状態にしているからだ.また,Arcで自分の位置情報を記録しているのも原因だろう.以前は,「お出かけ」と「通常」が明確だったので,「お出かけ」を記録する時だけArcを使っていたんだが,在宅勤務になった途端「お出かけ」が凄く曖昧な概念になってしまったことからArcは常時ONにしている.そりゃ,電池の消費も早いってもんだ.どうせだからiPhone 12 Proを買って使い込んで見ようかと思うに至った.先日久しぶりに合うことができたうちの弟が,図らずも,そろそろ機種変しようかななどと言ってたのも,僕の背中を押した要素のひとつだ.ついでに言えば,先週水曜日にモデルナワクチンの2回め接種を受けて,その翌日はその副作用で高熱を出してたんだが,その点では「コロナワクチンの副作用に打ち勝った証」という訳の判らない理由もある.

久しぶりに,どこへも行く用事の無い週末の朝,radikoで週末午前中の番組を流しながら,iPhone 6sのApple Store App.でまず値段を確認しよう.iPhone 12 Proの,多分使い切らないけど512MBをカートに入れて,Wallet型のケースはあるかなぁ....あ,これも入れよう,後は保護シールだな....それから,ヘッドホンジャックも無くなっちゃったから,ightning-Headphone Jackのアダプタも必要だな....などとカートに入れて総額¥169, 576.ぶっちゃけ¥170Kである.さて,どうしようかね.今年1月に買ったLes Paul Specialよりも高い.でもなぁ,Apple Payの威力とかもちょっと試したい気もするしなぁ.iPhone 6sがiOS 15でサポート対象から外れたらどうしよう,とかも思うし.そう,長期的に考えると,どこかで機種変せねばならないんだよなぁ....しばし,躊躇した.うーむ....と思って,一度他の作業をしてみる.そう,どこかで機種変せねばならないのだ.....どうせだから,やっちゃえという気持ちがやや勝ってきた.というところで,Apple Store App.でcheckoutへ進んでしまった.....

さて,保護シールは店舗で貼ってもらいたいし,店頭受け取りに設定して.それから支払いは....店頭受け取りでも先に決済をせねばならないらしい.それなら,と,日頃Apple Storeで使っているクレジットカードで決済へ.ところが,ここで検証に失敗したと言われる.なんで?一昨年くらいまで散々使ってたカード,たしかに昨年更新が入ったけど....仕方無いので,別のETC決済に使っているカードで取り敢えず決済しておく.店舗は15:15で予約.

....と,ここまで来て,ハッとする.俺,なんか今凄い買い物してね?...まぁ,発注しちゃったものは仕方無い.もう1ヶ月もすると,今度はiPhone 13の発売で盛り上がるんだろうに,どうして今やっちゃったかなと思わないでは無いけど.サイズもでかくなって,本当に良いのかな,というのもあるけど.まぁ,まずは買って試して使い勝手を評価しないと先へは進まないだろう.

コロナ禍の緊急事態宣言が出る中,まぁオーダしちゃったし仕方ないよね,と言い訳しつつ,心斎橋のApple Storeへ足を運ぶ.店はそれなりの賑わいは見せていて,街の人出も多かった.入店するのに,まず店頭で並ばされて検温.アルコール消毒してから再度列に並ぶ.ここで,注文内容の確認.保護シールをオーダに入れていたが,この保護シールは自分で貼るヤツ,店頭で貼るには別のにしないといけないと言われる.ほぅ,あれ,クレジットで決済したけど,まだ決済終わっていないの?と確認したところ,品物の受け渡しで決済が完了すると言われた.それなら決済用のクレジットカードを変更できる?と聞くと,App上での発注を一度店頭でキャンセル,その上で再度購入手続きすれば出来ると言われた.なんだ,それなら現金決済も可能だったのかもしれないなぁ....ま,いっか.現金はそこまでお財布に入れてないし.では,そういうことで,ということで,Apple Store心斎橋の店頭で一連の購入手続きを片付ける.

現品の開封は,iPhoneにシールをお店で貼る場合,買った人が実施することになっているそうで.開封して,現物を確認の上,iPhone 12 Proを店員さんに渡してシールを貼ってもらった.ついでにケースも入れてもらって.そう言えば,以前,iPhone 6sをApple Storeで購入した時は,たしか店頭でActivation迄やったなと思い出す.あれは,確か銀座のApple Storeだった.Activationどうするの,と聞いたら,SIMを入れて出来ますというので,そこまで実施することにする.iPhone 6sのSIMを抜いてiPhone 12 Proに挿し,立ち上げを確認.パスコードも設定して,一連のActivationが終わったら,SIMはiPhone 6sに戻しておく.夕方迄は,まだ移行は出来ないし.

なんのかんの,一連の作業が終わったので,Apple Storeを離脱.30分くらいかかった.後は,家で母艦のMacBook Proに繋ぎながら作業をすることにしよう.ポケットに2台のiPhoneを入れて帰ってきた.

帰宅してから,買い物などをして,その後で本格的に移行作業.一回,iPhone 12 Proの設定を全て初期化してデータ移行を行う.最近は,BluetoothでiPhone間のデータ移行もできるとのことで,iPhone 6sのBluetoothをONにしてから隣にiPhone 12 Proを置いて置くと,自動でペアリングしてくれるらしい.始め!の指示は出さないといけないが,取り敢えず置いておけばコピーしてくれるので楽っちゃ楽.iCloud経由よりも若干早い,のかな?全てのデータが移行したら,SIMを入れ替えて,移行作業は完了.これでiPhone 6sはSIMなし端末になってしまった.楽天のSIMを買ったら,iPhone 6sに入れて比較用に使おうかしらん.さて,それから,使えないAppの削除をしたり,代替Appを探してインストールしたり.色々と面倒だけど,たまにこうやって片付けをしないと色々溜まっちゃっていけないね.

そんなこんなをやってたら,あっと言う間に夜中になってしまった.まだ,カメラとか,全然試せていないんだけど.いくつか気になった点もあって,まずはこれを残したいと思う.

  • ホームボタンを無くした結果,UXが悪化した気がする

ホームボタンが無くなって,もう4年?近く経過するはず(iPhone Xからだから4代目になる)が,ホームボタンを無くして変更した操作性の悪化を感じる.統一した操作に対する考え方が無いように見える.しかも,液晶面が拡がって得られた価値は,ほぼ無いように感じる.

例えば,iPhone 12 Proのホーム画面とiPhone 6sのホーム画面を比較すると,こんな感じになる.ホーム画面1画面辺りに並ぶAppの数は基本的に変わらない様子が判るだろう. 

勿論,両者ともiOS 14.7.1で同じ.画面のupper sideは,Face IDのためのカメラがあるから,空間が増える.bottom sideは,ホームボタンの領域が増えるのだが,間延びしている.Dockエリアが下側に動くのは良いとして,なんだ,この間の抜けたエリアは,と思わないでは無い.しかも,今までホームボタンが担っていた操作は,他の操作に置き換えるんだが,個人的に良く使うプロセス(App)のQuit操作や,Appの切り替えなどを起こすのが意外と大変なのだ.画面下側からスワイプすれば出てくる「時もある」,みたいな.背面を叩くと出すことで,出すことができるように設定も出来る.この操作体系,UIの文法は理路整然としているのか,という点が気になるのだ.

ここで,input methodを起動すると,下のようになる.Wordを立ち上げて見たんだが,こんな感じで,スペースの有効利用になっているのか,気になる.うーん,1行分くらい,エディタ画面は拡がった感じだし,キーボードのフォントサイズも若干大きくなり,これは歳をとった自分には若干見やすくなったと思うんだが.それでも,そのわずかなメリットと比較して,UX的にどうなのよ,と思うのだ.画面のBottom Side,なにかと役割りは持たせているが,Input Methodの切替えに,こんなに大きな領域取らなくても出来るよね?みたいな.なんか納得感を感じられない.

元々, ホームボタンの排除は,SamsungなどのAndroid系スマホの「こっちのケータイは画面広いぞ」への対策として出てきたと理解しているんだが,小手先で対応している様に見えて仕方無い.それがiPhone Xからもう4代,続いているということだ.iOSも同じくらい,世代を重ねているだろうし.その館,UIの文法の統一性を図ってきたのか,というツッコミくらいは入れたくなる.Steve Jobsなら,ここまで美意識の欠如したUIの文法は承認しない,というか早々に改善せいと,すごい圧をかける気がする.iPhone 7の押込み感の無いボタンも個人的には苦手なんだが,いや,それでもコンポーネントとして明確な役割を持ってて,実は非常に差別化の要素だったんじゃ無いだろうか? 

スマホを使う場面と言えば,そもそも移動しながらの情報収集や自動車を運転しながらの利用など,どうしても「ながら」操作になる場面は多い.この状況でApp Switchなどが簡単に出来ない状況になるのは,残念だと思う(Appleとしては,ナビなら,ロック画面でも出てくるAppleのMapを使えと言うかもしれない.しかし,スクリーンを占有するような特殊なAppを最初からインストールしているの,独占だよね,とも思うし.これは,iPhone 6sの時から気になってはいるんだけど).

  •  Walletって,使いづらくない?

 いや,これはiPhone 12だからどうだ,という話では無いと思うんだが.Walletにクレジットカードを登録しようとして色々苦戦している.手持ちのクレジットカード,MasterとVisa,そして先日American Expressも用意したんだが,このうち今のところMasterカードしかまだ登録出来ていない.

これがAppleのせいなのかどうなのか,今ひとつ判っていない.ただ,最後のAMEXは先日,楽天で作ったんだが,今後,細々とした買い物はこちらに移行しようかと考えているのだ.カードは手元に届いて現在,銀行口座と紐付け作業を申請して...その後の連絡が無いので,どうなっているんだろう?そんな状況なので,まだ1回も使ってないカードなんだが,これを登録出来ないんだな.ついでに言うと,ETC専用で使っているVisaカードもこれまた登録出来ないんだけど.楽天カードはAppleの認めた発行者になっている割に,登録出来ないというのが,なんとも微妙な感じ.実生活で1回使わないといけないなど,なにか成約でもあるんだろうか?個人的には,クレジット会社への支払いは減らしたいところもあるけど.

なんだかなぁ,と思わないでは無い状況ではある. 

  •  FaceIDも色々と悩ましい

FaceID を設定してみたんだが,これ,登録の時点でマスクしていると登録が出来ない.そして,マスクを外していれば,いつ認証したんだろうと思うくらいの速度で反応してLockを外してくれるんだが,マスクしていると全然ロックが外れない.以前,どこかでマスク対応した,と読んだ気がしたんだが.COVID-19の蔓延に併せて,色々と考えなくちゃいけないUseCaseが膨らんではいると思うけど,これをどう捉えているかの問題.感染者のそばに居た,という状況証拠は残すようにしているけど,ロック外れないのはどうなんだろう?

あと, FaceIDでロックが外れたとしても,そこから一度Swipe操作をしないといけない点も気になっている.特にクルマを運転している時に,確実にロックが外れるのか,とか,App Switchが正しくできるのか,とか.その辺りの操作性が悪くなっているようなら,それは結構,スマホとして致命的な欠点では無いのだろうか?この辺りは,今後,実際に使った時に何が起きるか気になるところだ.

そんな訳で, 数年ぶりにiPhoneの機種変更をしたのだが,この更新が本当に正しい判断だったか,まだ不安は残っている.暫くはiPhone 6sも使えるようにしておきたい気分にもなっている.それこそ,楽天のSIMカードでも買って,iPhone 6sをクルマ用に残しておこうかしら,ということも検討中.

iPhoneも色々と進化したとは聞いてはいたが,「正しい」進化を成し遂げたのか,ちょっと気になりだしている.今回,実際に最新のiPhoneを弄って見て,ひょっとすると,このiPhoineの変化が,Appleの変質を表している,のかもしれないと懸念を持ったのも事実だ.他社製品との比較の文脈だけで製品を企画していないだろうか?それは,元々Appleが,あるいはSteve Jobsが持っていた,IndustorialとArtsの交差点的な立ち位置からずれてきていることを示唆するのかもしれない.そう,iPhone 12 Proは,本当にこのレベルの製品で良かったのか,他社比較だけで製品を考えていないだろうか?

Macの方は,IntelのCPUを捨てることで生まれた「圧倒的な価値」に期待しているんだが,同様の期待を持って購入したスマホを,もっと言えば,一番身近なケータイ計算機を提案してほしいんだよな,という思いは,どうしても残ってしまったのだった.

2021/04/18

NEUMANN KH80 DSPを試す

 先週の週末,パワードモニタをもうひとつ買おうかと思い,試聴したNEUMANN KH80 DSP.なんか,音の分解能が非常に印象に残ったこともあり,これは"買い"では無いか,と1週間ほど悶々とする.¥77K/本という価格,ちょっと高いんだけど,でもStealy Danとかの音を流した時に各楽器がすごく分離して,音像確認に良さそうな気がしたのだ.

そんな訳で,今朝,起きて「買う」と決めて,梅田の馴染みの楽器屋へ.いや,amazonも漁ったのだが,amazonに同じ値段で出ているものは無い.soundhouse.comでは,ほぼ値段は同じだし.ということは,馴染みの楽器屋,頑張って値段出しているじゃん,と.あぁ,まだ固定資産税の支払いとかあるしなぁ,と思いつつ,こう,湧き上がる物欲に負けた.COVID-19の蔓延が心配だけど,この値段で出るなら,ちょっと買って見るか,みたいな.それに,大阪のCOVID-19の拡大も心配で,今のうちに買いにいかないと,暫く楽器・機材を楽器屋の店頭で直接買う,という機会を暫く持てない気がしたのも事実.

早速,件の楽器屋へ向かう.途中で,現金を調達してからお店へ.いつも懇意にしている店員さんが居てくれて,先週の続きをする.まず,税込みで¥77K/本だよね,と.確認をとった上で,2本現金で買うからもうちょっと勉強しない?と値引き交渉.2本で¥152Kがギリギリ,というので,まぁそこまで楽器屋さんを虐めてもな,と,購入を表明.多分,これでも楽器屋さん的には設けが若干出るはず.手を打った.

さて,横浜でも使うことを想定して,ちょっと長めのバランスケーブルを....と希望するんだが,しかしここで,5mのTSR♂-XLR♂のケーブルなんて2本無かった.残念.仕方無い,帰る途上でヨドバシに立ち寄る.しかし,ここも,5mのオヤイデのケーブルは1本しかなかった.困ったね.5mのバランスケーブルが欲しいんだという話をすると,出てきたのがYAMAHAのマイクケーブル.まぁ,良いか,取り敢えず,これで繋いでみよう.うちに,まだ,TSRーXLRのケーブルがステレオ2本分あるし.取り敢えず買って,まずは音を聞くとかしたいし.ちょっと気になったので,XLR♂ーXLR♂のアダプタも2セット買って置く.

そんなこんなで,伊丹の部屋に戻って,早速セットアップする.iMac 27"の脇に置いて,ちょっと聴き比べもしたいので,今までほぼ使っていなかったBOSEのM2を外す.代わりにNEUMANN KH80を置いて,ケーブルを敷設して,等とやってたら2時間くらいかかってしまった.机の周り,色々と混乱状態に陥ってた.今はメインにしているGENELEC 8010 APMは,NEWMANN KH80の上に載せて設置.正しいオーディオマニアには絶対に怒られる配置だな,と思いつつ.KH80の方は奥行きもそれなりにあるんで,今後,何かスピーカスタンドを置かないと,机の手前が狭くなるし.

超特急でセットアップして,Mackieの1604 VLZからradikoの音を流して,早速KH80を鳴らしてみる.比較すると,8010と比較して,ボトム(低音域)が大きく出る.どこかのホームページに書いてあったけど,KH80は400Hzあたりがやや膨らむ傾向らしい.KH80の背面のスイッチを弄って,「大きい机」の設定にしてみる.少しだけ,低音域が抑えられた,かな?もうちょっと,エイジングが進んでから,設置方法を含めて見直すか.

店頭で試聴した時にちょっと感動した"音源の分離感"だが,radikoの音を流しているとちょっと弱い印象.まぁ,楽曲のマスタトラックの作り方にも依存するので,簡単に比較しちゃいけないんだけど.店頭で,Donald Fagenの音を流したら,凄い分離感で感動したんだけどな.さすがに,そのレベルのミキシングは,一般の楽曲では実施されていないのかしらん?あるいは,低音域が膨らむような設置方法だから,音源の分離感が曖昧になってしまうのか.....中々,スピーカは難しいね.設定が安定したら,どっちか横浜に持っていこうと思っていた,んだが,これは....今の状態だと,BOSEのM2を持っていくのが楽かもしれないな....うーむ.

興味深いのは,KH80の上に置いたGENELEC 8010.意外とこれが良い音がする.スピーカの位置がちょうど耳の位置になったのが原因かもしれないけど.8010は,サイズは小さいし,ボトムは出にくいスピーカではあるんだけど,やっぱり出音のバランス良いんだよな.デスクトップに置くのにも良い塩梅のサイズだし.これは中々手放せないモニタスピーカだなぁ,と再評価してしまった.

今のところ,NEUMANN KH80,良いモニタだとは思っている.決して,ヒアリング用ではなく,やっぱりモニタなんだけど,音に変な色付けをしない傾向にはあると思う.ただ,ボトムの処理は悩ましいなぁと思っている.あと,机の上で鳴らして,床で作業していると....意外とキックの音とか低域の音がくっきり聞こえて,ちょっとどきっとする.安普請の集合住宅で使って良いのか,音が回っていやしないか,とちょっと神経は使うかな,と言うのが,買った直後の僕の評価だったりする.