2021/08/29

iPhone 12 Proを試す

僕は,未だ,iPhone 6sを使っている.電池の減りがやや早くなったことを除けば,特段の不便も感じないし.しかし,昨今,さすがにそろそろ,新しいiOSが対応しなくなりそうな予感を感じている.非接触のNFCも無いから,Apple Payなどを使えないのはちょっと残念だ.そんな状況なので,次にiPhone 6sの電池交換をするなら,新機種に移行するか,とちょっと思っていた.ただ,大抵のことはiPhone 6sで済むのである.何よりクレジットカード,相変わらずセキュリティ的には不安もあるし.そんな状況の中,ずるずると気がついたiPhone 6sでら5年?電池交換もすでに2回実施したし.

ところが在宅勤務になって,MacにいつもiPhoneを挿している状況になったからか,2回目の電池交換も虚しく,電池が長持ちしなくなって来た.原因は判っている.在宅勤務などをしていると,終日,iPhoneを充電状態にしているからだ.また,Arcで自分の位置情報を記録しているのも原因だろう.以前は,「お出かけ」と「通常」が明確だったので,「お出かけ」を記録する時だけArcを使っていたんだが,在宅勤務になった途端「お出かけ」が凄く曖昧な概念になってしまったことからArcは常時ONにしている.そりゃ,電池の消費も早いってもんだ.どうせだからiPhone 12 Proを買って使い込んで見ようかと思うに至った.先日久しぶりに合うことができたうちの弟が,図らずも,そろそろ機種変しようかななどと言ってたのも,僕の背中を押した要素のひとつだ.ついでに言えば,先週水曜日にモデルナワクチンの2回め接種を受けて,その翌日はその副作用で高熱を出してたんだが,その点では「コロナワクチンの副作用に打ち勝った証」という訳の判らない理由もある.

久しぶりに,どこへも行く用事の無い週末の朝,radikoで週末午前中の番組を流しながら,iPhone 6sのApple Store App.でまず値段を確認しよう.iPhone 12 Proの,多分使い切らないけど512MBをカートに入れて,Wallet型のケースはあるかなぁ....あ,これも入れよう,後は保護シールだな....それから,ヘッドホンジャックも無くなっちゃったから,ightning-Headphone Jackのアダプタも必要だな....などとカートに入れて総額¥169, 576.ぶっちゃけ¥170Kである.さて,どうしようかね.今年1月に買ったLes Paul Specialよりも高い.でもなぁ,Apple Payの威力とかもちょっと試したい気もするしなぁ.iPhone 6sがiOS 15でサポート対象から外れたらどうしよう,とかも思うし.そう,長期的に考えると,どこかで機種変せねばならないんだよなぁ....しばし,躊躇した.うーむ....と思って,一度他の作業をしてみる.そう,どこかで機種変せねばならないのだ.....どうせだから,やっちゃえという気持ちがやや勝ってきた.というところで,Apple Store App.でcheckoutへ進んでしまった.....

さて,保護シールは店舗で貼ってもらいたいし,店頭受け取りに設定して.それから支払いは....店頭受け取りでも先に決済をせねばならないらしい.それなら,と,日頃Apple Storeで使っているクレジットカードで決済へ.ところが,ここで検証に失敗したと言われる.なんで?一昨年くらいまで散々使ってたカード,たしかに昨年更新が入ったけど....仕方無いので,別のETC決済に使っているカードで取り敢えず決済しておく.店舗は15:15で予約.

....と,ここまで来て,ハッとする.俺,なんか今凄い買い物してね?...まぁ,発注しちゃったものは仕方無い.もう1ヶ月もすると,今度はiPhone 13の発売で盛り上がるんだろうに,どうして今やっちゃったかなと思わないでは無いけど.サイズもでかくなって,本当に良いのかな,というのもあるけど.まぁ,まずは買って試して使い勝手を評価しないと先へは進まないだろう.

コロナ禍の緊急事態宣言が出る中,まぁオーダしちゃったし仕方ないよね,と言い訳しつつ,心斎橋のApple Storeへ足を運ぶ.店はそれなりの賑わいは見せていて,街の人出も多かった.入店するのに,まず店頭で並ばされて検温.アルコール消毒してから再度列に並ぶ.ここで,注文内容の確認.保護シールをオーダに入れていたが,この保護シールは自分で貼るヤツ,店頭で貼るには別のにしないといけないと言われる.ほぅ,あれ,クレジットで決済したけど,まだ決済終わっていないの?と確認したところ,品物の受け渡しで決済が完了すると言われた.それなら決済用のクレジットカードを変更できる?と聞くと,App上での発注を一度店頭でキャンセル,その上で再度購入手続きすれば出来ると言われた.なんだ,それなら現金決済も可能だったのかもしれないなぁ....ま,いっか.現金はそこまでお財布に入れてないし.では,そういうことで,ということで,Apple Store心斎橋の店頭で一連の購入手続きを片付ける.

現品の開封は,iPhoneにシールをお店で貼る場合,買った人が実施することになっているそうで.開封して,現物を確認の上,iPhone 12 Proを店員さんに渡してシールを貼ってもらった.ついでにケースも入れてもらって.そう言えば,以前,iPhone 6sをApple Storeで購入した時は,たしか店頭でActivation迄やったなと思い出す.あれは,確か銀座のApple Storeだった.Activationどうするの,と聞いたら,SIMを入れて出来ますというので,そこまで実施することにする.iPhone 6sのSIMを抜いてiPhone 12 Proに挿し,立ち上げを確認.パスコードも設定して,一連のActivationが終わったら,SIMはiPhone 6sに戻しておく.夕方迄は,まだ移行は出来ないし.

なんのかんの,一連の作業が終わったので,Apple Storeを離脱.30分くらいかかった.後は,家で母艦のMacBook Proに繋ぎながら作業をすることにしよう.ポケットに2台のiPhoneを入れて帰ってきた.

帰宅してから,買い物などをして,その後で本格的に移行作業.一回,iPhone 12 Proの設定を全て初期化してデータ移行を行う.最近は,BluetoothでiPhone間のデータ移行もできるとのことで,iPhone 6sのBluetoothをONにしてから隣にiPhone 12 Proを置いて置くと,自動でペアリングしてくれるらしい.始め!の指示は出さないといけないが,取り敢えず置いておけばコピーしてくれるので楽っちゃ楽.iCloud経由よりも若干早い,のかな?全てのデータが移行したら,SIMを入れ替えて,移行作業は完了.これでiPhone 6sはSIMなし端末になってしまった.楽天のSIMを買ったら,iPhone 6sに入れて比較用に使おうかしらん.さて,それから,使えないAppの削除をしたり,代替Appを探してインストールしたり.色々と面倒だけど,たまにこうやって片付けをしないと色々溜まっちゃっていけないね.

そんなこんなをやってたら,あっと言う間に夜中になってしまった.まだ,カメラとか,全然試せていないんだけど.いくつか気になった点もあって,まずはこれを残したいと思う.

  • ホームボタンを無くした結果,UXが悪化した気がする

ホームボタンが無くなって,もう4年?近く経過するはず(iPhone Xからだから4代目になる)が,ホームボタンを無くして変更した操作性の悪化を感じる.統一した操作に対する考え方が無いように見える.しかも,液晶面が拡がって得られた価値は,ほぼ無いように感じる.

例えば,iPhone 12 Proのホーム画面とiPhone 6sのホーム画面を比較すると,こんな感じになる.ホーム画面1画面辺りに並ぶAppの数は基本的に変わらない様子が判るだろう. 

勿論,両者ともiOS 14.7.1で同じ.画面のupper sideは,Face IDのためのカメラがあるから,空間が増える.bottom sideは,ホームボタンの領域が増えるのだが,間延びしている.Dockエリアが下側に動くのは良いとして,なんだ,この間の抜けたエリアは,と思わないでは無い.しかも,今までホームボタンが担っていた操作は,他の操作に置き換えるんだが,個人的に良く使うプロセス(App)のQuit操作や,Appの切り替えなどを起こすのが意外と大変なのだ.画面下側からスワイプすれば出てくる「時もある」,みたいな.背面を叩くと出すことで,出すことができるように設定も出来る.この操作体系,UIの文法は理路整然としているのか,という点が気になるのだ.

ここで,input methodを起動すると,下のようになる.Wordを立ち上げて見たんだが,こんな感じで,スペースの有効利用になっているのか,気になる.うーん,1行分くらい,エディタ画面は拡がった感じだし,キーボードのフォントサイズも若干大きくなり,これは歳をとった自分には若干見やすくなったと思うんだが.それでも,そのわずかなメリットと比較して,UX的にどうなのよ,と思うのだ.画面のBottom Side,なにかと役割りは持たせているが,Input Methodの切替えに,こんなに大きな領域取らなくても出来るよね?みたいな.なんか納得感を感じられない.

元々, ホームボタンの排除は,SamsungなどのAndroid系スマホの「こっちのケータイは画面広いぞ」への対策として出てきたと理解しているんだが,小手先で対応している様に見えて仕方無い.それがiPhone Xからもう4代,続いているということだ.iOSも同じくらい,世代を重ねているだろうし.その館,UIの文法の統一性を図ってきたのか,というツッコミくらいは入れたくなる.Steve Jobsなら,ここまで美意識の欠如したUIの文法は承認しない,というか早々に改善せいと,すごい圧をかける気がする.iPhone 7の押込み感の無いボタンも個人的には苦手なんだが,いや,それでもコンポーネントとして明確な役割を持ってて,実は非常に差別化の要素だったんじゃ無いだろうか? 

スマホを使う場面と言えば,そもそも移動しながらの情報収集や自動車を運転しながらの利用など,どうしても「ながら」操作になる場面は多い.この状況でApp Switchなどが簡単に出来ない状況になるのは,残念だと思う(Appleとしては,ナビなら,ロック画面でも出てくるAppleのMapを使えと言うかもしれない.しかし,スクリーンを占有するような特殊なAppを最初からインストールしているの,独占だよね,とも思うし.これは,iPhone 6sの時から気になってはいるんだけど).

  •  Walletって,使いづらくない?

 いや,これはiPhone 12だからどうだ,という話では無いと思うんだが.Walletにクレジットカードを登録しようとして色々苦戦している.手持ちのクレジットカード,MasterとVisa,そして先日American Expressも用意したんだが,このうち今のところMasterカードしかまだ登録出来ていない.

これがAppleのせいなのかどうなのか,今ひとつ判っていない.ただ,最後のAMEXは先日,楽天で作ったんだが,今後,細々とした買い物はこちらに移行しようかと考えているのだ.カードは手元に届いて現在,銀行口座と紐付け作業を申請して...その後の連絡が無いので,どうなっているんだろう?そんな状況なので,まだ1回も使ってないカードなんだが,これを登録出来ないんだな.ついでに言うと,ETC専用で使っているVisaカードもこれまた登録出来ないんだけど.楽天カードはAppleの認めた発行者になっている割に,登録出来ないというのが,なんとも微妙な感じ.実生活で1回使わないといけないなど,なにか成約でもあるんだろうか?個人的には,クレジット会社への支払いは減らしたいところもあるけど.

なんだかなぁ,と思わないでは無い状況ではある. 

  •  FaceIDも色々と悩ましい

FaceID を設定してみたんだが,これ,登録の時点でマスクしていると登録が出来ない.そして,マスクを外していれば,いつ認証したんだろうと思うくらいの速度で反応してLockを外してくれるんだが,マスクしていると全然ロックが外れない.以前,どこかでマスク対応した,と読んだ気がしたんだが.COVID-19の蔓延に併せて,色々と考えなくちゃいけないUseCaseが膨らんではいると思うけど,これをどう捉えているかの問題.感染者のそばに居た,という状況証拠は残すようにしているけど,ロック外れないのはどうなんだろう?

あと, FaceIDでロックが外れたとしても,そこから一度Swipe操作をしないといけない点も気になっている.特にクルマを運転している時に,確実にロックが外れるのか,とか,App Switchが正しくできるのか,とか.その辺りの操作性が悪くなっているようなら,それは結構,スマホとして致命的な欠点では無いのだろうか?この辺りは,今後,実際に使った時に何が起きるか気になるところだ.

そんな訳で, 数年ぶりにiPhoneの機種変更をしたのだが,この更新が本当に正しい判断だったか,まだ不安は残っている.暫くはiPhone 6sも使えるようにしておきたい気分にもなっている.それこそ,楽天のSIMカードでも買って,iPhone 6sをクルマ用に残しておこうかしら,ということも検討中.

iPhoneも色々と進化したとは聞いてはいたが,「正しい」進化を成し遂げたのか,ちょっと気になりだしている.今回,実際に最新のiPhoneを弄って見て,ひょっとすると,このiPhoineの変化が,Appleの変質を表している,のかもしれないと懸念を持ったのも事実だ.他社製品との比較の文脈だけで製品を企画していないだろうか?それは,元々Appleが,あるいはSteve Jobsが持っていた,IndustorialとArtsの交差点的な立ち位置からずれてきていることを示唆するのかもしれない.そう,iPhone 12 Proは,本当にこのレベルの製品で良かったのか,他社比較だけで製品を考えていないだろうか?

Macの方は,IntelのCPUを捨てることで生まれた「圧倒的な価値」に期待しているんだが,同様の期待を持って購入したスマホを,もっと言えば,一番身近なケータイ計算機を提案してほしいんだよな,という思いは,どうしても残ってしまったのだった.